現職の小池百合子氏(67)が他の候補に大差をつけて再選を果たした東京都知事選(2020年7月5日投開票)をめぐり、立憲民主党の福山哲郎幹事長は7月7日の記者会見で、「支持層が重なっている山本太郎さんが最終局面になって出たということで、野党側の票が割れることは自明になった」と述べた。
立憲、共産党、社民党などが元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)の支援を決める中で、告示直前に、れいわ新選組の山本太郎代表(45)が出馬を表明。いわゆる「リベラル票」が割れることになり、それが有権者にもネガディブな印象を与えたとの見方だ。
「都民にいくら投票を呼びかけても...」
国民民主党は自主投票だったが、原口一博国対委員長、平野博文幹事長、小沢一郎衆院議員らが宇都宮氏を支援。こういったことを念頭に、福山氏は都知事選を
「一定、まとまった形の選挙ができたと思う」
と総括したが、
「ただ、残念ながら、やっぱり支持層が重なっている山本太郎さんが最終局面になって出たということで、野党側の票が割れることは自明になった」
「野党が割れた状況が見える中で、都民にいくら投票を呼びかけても、『どうせ勝てないだろう』ということが、やっぱりあったのではないかと思っている」
とも述べた。宇都宮氏と山本氏の得票は、それぞれ84万4151票と65万7277票。両者の得票を足しても、小池氏の366万1371票には遠く及ばない。それでも福山氏は、
「やっぱり、戦う姿勢としては野党がまとまって戦うという形をとりたかったと、私自身は個人的に、そのように考えている」
と話し、山本氏の出馬を批判した。
なお、NHKや共同通信の出口調査によると、立憲支持層のうち宇都宮氏に投票したのは半数程度で、3割程度が小池氏に投票。山本氏に投票した人も2割近くいた。
ただ、福山氏は、れいわと「対立関係にあった」という見方には反発した。記者の
「れいわとの、ある意味、都知事選で対立関係にあった中、今後の衆院選において、野党連携で、れいわ新選組との連携というのはどのようにお考えか」
という質問に対して、
「元々、れいわとの連携について、我々は否定的なことを申し上げたことはないわけだし、宇都宮健児さんに対して我々が支援を決めたが、残念ながらそこで山本太郎さんが出馬をされたので...。別に我々は当初から山本さんと対立しようとして都知事選をやったわけではないので、そこは表現の仕方と...。なんか『対立した』と言うけど、我々は宇都宮さんでやろうと思っていたわけで、別にその時から山本太郎さんと対立しようと思っていたわけではないので、そこは表現の仕方はご留意いただきたい」
などと反論。「対立」があるとすれば、山本氏が原因だとの見解をにじませた。