中高生向け「メディアリテラシー」特集が大人にも好評 「図書館教育ニュース」発行元に制作背景をきいた

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   学校図書館の掲示物が、ツイッター上で8万リツイートを超える大きな反響を生み出した。

   少年写真新聞社の図書館教育ニュース2020年7月号、「クイズ メディアリテラシー」が、良い記事だと話題となった。J-CASTニュースは、少年写真新聞社に制作の背景などをメールで取材した。

  • 少年写真新聞社の公式サイトより
    少年写真新聞社の公式サイトより
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「この情報、どう受け止める?」

   「図書館教育ニュース」は制作する少年写真新聞社によれば、全国の約三分一の中学校・高等学校に用いられている。大きな写真やイラストが添えられた掲示用B2判カラーで、生徒の目を引く。7月3日、用事で学校に訪れたというアカウントがツイッターに投稿した、この新聞を撮影した画像が大きな注目を集めた。

   「クイズ メディアリテラシー」と称された特集では、「この情報、どう受け止める? 下の記事は、どこに気を付けて読めばいいのでしょうか?」とSNSの投稿や報道の例をクイズで3つ挙げている。このうち、イラストの「グラフの棒の長さが何倍に伸びたか」を問うクイズでは、棒グラフの長さが一見、大幅に増えたように見える図について、実は表の下の方の一部数字帯が割愛されているための見た目の変化で、もうひとつの割愛のない棒グラフの図をみると変化の幅は小さい、という事例を紹介していた。

   こうした内容に対し、

「これいつも心掛けたい。子にも教えたいこと」
「これめっちゃ大切だよね、、メディアリテラシー勉強したい」
「大人にも配ってほしい」

   とSNS上で大きな反響を生み出し、7日午前段階で、8万リツイートを超える反応が寄せられている。こうしたSNSでの反響について、「クイズ メディアリテラシー」の企画を行った少年写真新聞社は6日、J-CASTニュースの取材に対して、次のような回答を寄せた。

「今年前半はコロナ禍でさまざまなデマや不確実な情報が飛び交っていました。感染第2波も警戒される今、時流に乗ったことが好評を頂いた一番大きな理由だと思います。また、大人は中高生より経験豊富ですが、逆に先入観で頭が固くなっている人もいるのではないでしょうか。メディアリテラシーで大切なのは『情報を鵜呑みにしたり決めつけたりせずに、自分の頭で多面的に考えよう』ということです。このニュースを通じて、大人にも再確認していただけたのかもしれません」

「長期休暇前に注意を喚起するためにこのタイミングで掲載」

   少年写真新聞社は、「クイズ メディアリテラシー」を7月号に掲載することを、4月に発表していた。

「夏休みになると、中高生がネットに接する機会も増えると思います。長期休暇前に注意を喚起するためにこのタイミングで掲載しました」

と、長期休暇の過ごし方を考慮してこの時期に掲載したと狙いを語る。また、中高生向けに工夫した点として「ひと目でわかること」を意識したという。

「読者は中学・高校生ということと、掲示写真ニュースという媒体の性質を踏まえて、『ひと目でわかること』を重視し、監修者の下村健一さんと相談しながら作成しました。生徒が楽しめるようにクイズ形式にして、さらに紙面下を折り返すと答えが隠れるようにして、生徒が自分で考えられるような仕掛けも盛り込みました」

   監修者の下村さんは令和メディア研究所主宰で、小学教科書の執筆など、子ども達のメディア・情報教育にも携わっている。「下村健一&令和メディア研スタッフ」のアカウントでツイッターも利用しており、大反響の発端となったツイートを引用し、「なんか、バズってる...。情報のパンデミック、これは感謝!(以下略)」と3日に発信していた。

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