原作小説にはない2000年が描かれた最終回
これら、アユがマサの手を離れて「自律的に」スターの座へと駆け上がっていく姿が描かれた最終回だったが、ドラマではこれらの出来事が2000年の出来事として描かれていた。ただ、その一方で、原作となった小説「M 愛すべき人がいて」では、1999年の「ミレニアムを迎えようとする」時期に、「Fly high」(2000年2月発売)のレコーディングが終わった浜崎さんに対し、エイベックスの松浦勝人会長(当時は専務)から、
「あゆは、俺の手を離れて、このまま一人でこの世界の頂点へ駆け上がるんだ」
と電話があったことが明かされており、物語は終了。つまり、最終回の内容は原作に基づいてこそいるが、時期はずらされていたということになる。ドラマと小説のどちらがより真実に近いかはもちろん浜崎さんと松浦会長にしか分からないことだろうが、その一方で、浜崎さんの歴史を紐解いていくと、最終回には、むしろ、ドラマの方が「史実」に近かったのではないかと思われるシーンもあったのだ。