プロ野球セ・リーグの対戦カードが一回りした。2020年7月5日時点で巨人が首位を走り、1.5ゲーム差でDeNAが追っている。新型インフルエンザの影響でレギュラーシーズンが120試合に短縮され、今シーズン投手陣には例年以上の負担が見込まれる。そのような中、各チームの守護神はどのようなスタートを切ったのか。ここまでのセ・リーグ6球団の守護神の投球内容に迫った。
阪神・藤川は本来の投球には...
首位を快走する巨人の抑えを務めるのは来日2年目のルビー・デラロサ投手(31)。今シーズンは開幕から5試合連続で無失点と安定した内容だったが、7月5日の中日戦で9回から登板し、先頭のダヤン・ビシエド内野手(31)に一発を浴びて緊急降板。試合後、「左脇腹肉離れ」と診断され6日に登録抹消となった。ここまで6試合で防御率1.80と抜群の安定感を見せていただけに守護神の離脱はチームにとって痛いところだ。
DeNAの絶対的守護神・山崎康晃投手(27)の今シーズンの立ち上がりは安定感に欠ける。初登板となった6月23日と24日の中日戦ではセーブはついたものの、投球にキレがみられず不安を残す内容だった。6月27日の阪神戦では1点リードの9回に登板し、2死から連続四球で1、2塁とし、ジェリー・サンズ外野手(32)に3ランを浴びて逆転負け。5試合で1敗4セーブと結果は残しているものの、防御率は5.79となっている。
開幕から低迷が続く阪神は、ベテラン藤川球児投手(39)がクローザーを務める。今シーズンはここまで3試合に登板し1セーブを挙げるも13.50の防御率が示すように投球は安定していない。今シーズンの初登板となった6月23日のヤクルト戦では9回に2本のヒットを許して1失点。6月25日のヤクルト戦では9回2死としたものの、西浦直亨内野手(29)に3ランを浴び逆転サヨナラ負け。本来の投球をまだ取り戻せていない。
中日・岡田は抜群の安定感
広島の新守護神テイラー・スコット投手(28)は開幕以降、精彩を欠く投球が続いた。公式戦2度目の登板となった6月21日のDeNA戦では1点リードの9回に登板し、4連打を浴びて2失点。1死も取れないまま逆転サヨナラ負けを喫した。7月2日のヤクルト戦では同点の9回に登場。四球と2本のヒットで無死満塁として村上宗隆内野手(20)に満塁弾を浴びサヨナラ負け。5試合で防御率21.00とし、翌日3日に登録抹消となった。
セ・リーグ守護神で安定感を見せるのが中日の岡田俊哉投手(28)だ。昨シーズンは中継ぎ、抑えとフル回転で53試合に登板して7ホールド、13セーブ。今シーズンは「勝利の方程式」の最後を締めくくるストッパーとして、6試合に登板して3セーブをマークし防御率は1.50。25人の打者に対して8奪三振、四死球ゼロ。今シーズンも直球のキレは健在で、安定した制球を見せている。
昨シーズン、最下位に終わったヤクルトは石山泰稚投手(31)が守護神を務める。石山はここまで6試合に登板し1勝1敗1ホールド1セーブ。防御率は6.35で4失点はいずれも本塁打がからんだもの。6月26日の巨人戦では重信慎之介外野手(27)に2ランを浴び負け投手に。7月4日のDeNA戦では勝敗はつかなかったものの、9回にネフタリ・ソト内野手(31)に2ランを浴びるなど不安をのぞかせた。