それ、「天気痛」かも?梅雨・台風の時期の頭痛や肩こり 患者が明かす実態とは

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   毎年、梅雨に天気が悪い日が続くと、なぜか頭痛や肩こりなどがひどくなる。台風の季節も同じような症状が...。そんな悩みをひそかに抱える人は意外と多いという。実はそうした症状、「天気痛」や「気象病」と呼ばれ、専門クリニックも存在する。長年、この「病」に悩む女性が、J-CASTニュースに実態を明かしてくれた。

「朝からこめかみの奥がじ~んと痛み始めました。昼前後に気圧が下がると、頭痛や肩こりがひどくなりました」

   そう話すのは東京都内の食品会社に勤める女性(41)。2020年6月30日、こうした症状が出たため、会社を早退した。女性は翌日も頭痛が収まらず、会社を休むことになった。この日は梅雨前線と低気圧の影響で、東日本や西日本で局地的に猛烈な雨が降った。関東では翌7月1日にかけても激しい雨と暴風に見舞われた。女性は1年ほど前から左肩の「四十肩」にも悩まされているが、梅雨や台風で天気が悪くなると、左肩に限らず、全身の関節が痛み出すようになったという。

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職場ではなるべく我慢...「『つらい』と言えるようになれば」

   「この症状が出始めると、体調が悪くなるだけでなく、気分も何となく落ち込むんです。何もやりたくないって気持ちになったり、物事をネガティブに捉えちゃったり。家族にも心配させて、申し訳ないと思います」

梅雨の季節は「気象病」が増えるとされる(イメージ)
梅雨の季節は「気象病」が増えるとされる(イメージ)

   職場では、6月30日や7月1日のように早退・病欠せざるを得ない時もあるが、症状が軽い場合はなるべく我慢して出社するようにしている。ただ、仕事ははかどらず、「周りに迷惑をかけているのでは」と、申し訳ない気持ちになるという。

「他の人からは私の痛みが目に見えないので、なるべくいつも通り振る舞うようにしています。でも、この症状がもっと社会に認知され、理解してもらえると、『今日は気圧が下がってつらいんです』と気兼ねなく周りに言えるようになるのですが・・・」

天気痛になりやすいのはどんな人? 「名付け親」が解説

   こうした天気や気圧の変化に伴う不調を「天気痛」と名付けたのが、医師で愛知医科大学客員教授の佐藤純さんだ。佐藤さんは、気象と体調不良との関係を20年以上にわたって研究し、専門のクリニックも運営する。

愛知医科大学客員教授の佐藤純さん
愛知医科大学客員教授の佐藤純さん
「片頭痛、古傷の痛み、めまいや耳鳴り、そして痛みに伴って気分が落ち込むことなどの症状を総合的に『天気痛』や『気象病』と呼んでいます。気圧の変化や寒暖差、湿度に加え、自律神経に大きなストレスを受ける場合に起きやすいです」

   「気象病」は文部科学省編さんの「学術用語集 気象学編」(1987年)に掲載されている。近年になって一般への認知も進み、1990年ごろからそのメカニズムの研究が本格的にされ始めるとともに、多くの医師から一般書の出版が続いている。

   佐藤さんは、こうした症状を持つ人は日本で少なくとも1000万人はいると推測している。「患者」にはどういう人が多いのだろうか。

「気圧を感じやすい特性を持つ人、病気やけがで首を痛めている人、そして自律神経が弱い人がなりやすいです。一般的には男性より、女性の方がこうした方が多いと考えられています」

天気痛、新型コロナ禍の影響も 予防・緩和するには?

   今年は、新型コロナウイルス禍の影響もあり、例年より相談に来る患者が多いという。

「緊急事態宣言が出され、在宅ワークが長く続き、家の中にずっといた方の中には自律神経が脆弱になっている人が多い。さらに今年は晴れる日は気温が高い一方で梅雨に入ったら大雨が多く、気圧の変化が極端です。(患者の方は)かなりきついのではないでしょうか」

   人知れず悩む人が多い天気痛(気象病)。痛みや体調不良を和らげる方法はないのか。佐藤さんは、次のような対策が有効だと言う。

佐藤さんが監修した、天気痛に悩む人向けの「おしゃれ耳栓」
佐藤さんが監修した、天気痛に悩む人向けの「おしゃれ耳栓」
「めまいの薬や自律神経を整える薬の服用に加え、首や肩のストレッチをすることが有効です。気圧の変化の影響を最も受けやすい耳に耳栓を装着するのも、不快感を和らげることができます」
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