演劇のために上京した24歳男性は、コロナを機に就職を決めた 【#コロナで人生変わった】

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初の就職「この先の人生、予想がつかなくなった」

   ただ、「どうにか7月まで生き延びられるかどうかの勝負だったんですよ」と佐藤さん。実はこの時、人生の転機を迎えていた。7月入社で正社員として就職が決まっていたのだ。

「コロナで収入がなくなって『このままじゃ生きていけない』と本気で思いました。だから3月上旬、ハローワーク(公共職業安定所)に駆け込みました」

   まずは話を聞くだけのつもりだったが、1回目の訪問で、ある企業の面接日まで決まった。

「職種は接客、販売、営業のどれかを勧められ、販売を選びました。そこから携帯販売を手掛けるある会社で面接を受けさせてもらうことになりました。大学中退で最終学歴は高卒、それにこの時期なので需要なんてあるのかなと思ってましたが、経験のためにも一度受けようと」

   コロナの影響で採用数を減らしていると聞いており、面接後も「まあ無理だろうな」と思っていた。ところが3日後、正社員として採用の連絡をもらうことになる。「驚きましたよ。最優秀賞をとった高校の演劇大会のような興奮を覚えました」。同時に「もう後に引けない」という思いもよぎった。

「この先の人生、予想がつかなくなったなと思いました。もちろんコロナの蔓延で予想はつかなくなっていたんですけどね。バイトしながらやりたい演劇をやっていた生活を、自分の決断で裏切った。それで僕は人生のルートが変わりました。今後自分がどうなっていくのか楽しみになりましたね。ワクワクはあります。根本が楽観的なのでどうにかなるだろうと思っています」

   2日間ほど同期入社組で研修もあった。「同期ができるのは楽しい」。1人で東京にやってきたから、一層そんな風に思うのかもしれない。

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