ポイントは「拡散しやすさ」と「ストレス発散」
井上トシユキ氏は「箸の持ち方は使いやすい話題」だと指摘し、何度も話題になる原因について、「2つの理由がある」と語る。
「1つは日本人なら誰でもお箸の持ち方について話ができ、簡単に拡散しやすい。みんな親や彼氏・彼女から『変な持ち方と言われた』といった形で、みんな1つの思い出や言いたいことのようなものがある。自分の言いたいことを言える場ができるということもあり、議論としても面白く、皆が参加しやすい」
「もう1つは、お箸の持ち方から入って、『だから育ちが悪いんだ』『だから性格が悪いんだ』などと他人の悪口を広げやすく、そういう形でストレス発散のようなものとして使われやすい」
とコメント。また、2000年代からネット掲示板などでも話題となることがあったか、との記者の質問には
「そうなんだと思います。基本的にアイドルが何かを食べるような番組などが話題になると、『箸の持ち方が変だよね』『親のしつけがなっていないからな』といったことを必ず言う人がいた。そうすると、『そうだよね』とか『いや、それぞれの家庭の方針なのだから、外野がとやかく言うことではない』という形で、色んな人がわーっと参入してくるのはよく見られた傾向でした。やはり日本人は『お箸の持ち方から入っていって話をする』というのが基本的に好きなんだと思います」
と答えた。最後に
「『お箸の持ち方ってのはマナーの問題だからちゃんとした方がいいんだ』みたいなことを言う人も居ますけど、一方で『ナイフとフォークの使い方』などでここまで話題になるっていうことはないんですよね」
と、箸が日本人の「共通項」であることを強調した。