開幕して2週間足らずだが、スタートダッシュに失敗した球団には重苦しい雰囲気が漂う。
セ・リーグは阪神が巨人に開幕3連敗を喫するなど4カード連続負け越し。パ・リーグもオリックスが同一カード6連戦という変則日程でロッテに6連敗を喫し、関西に本拠地を置く2球団が最下位に沈んでいる。
中日・平田、楽天・銀次がスタメン落ち
今年は新型コロナウイルスの影響で120試合に短縮されたが、6連戦が続く過密日程のため、例年のようにスランプに陥った主力の選手の復調を待っている時間がない。
中日は「攻撃的2番」として打線の目玉にしていた平田良介が開幕から4試合で18打数1安打、打率.055と低迷すると、与田監督が動いた。6月25日のDeNA戦(横浜)で平田のスタメン落ちを決断。他球団からは「平田は故障したの? 不調ってまだ4試合なのに。スタメンから外してもらった方が助かる」という声が出たが、中日ファンからは「平田は全くタイミングが合っていなかったし打てる雰囲気がなかった。外して正解だと思う」とネット上で理解を示すコメントが目立った。
また、開幕から4カード連続勝ち越しと好調の楽天も銀次を開幕4戦目の23日の日本ハム戦(楽天生命パーク)で早くもスタメンから外した。昨季は141試合出場で4年ぶりの打率3割越え。主力として欠かせない存在だが、オリックスとの開幕3連戦で11打数1安打、打率.091と精彩を欠いていた。開幕3戦目で2打席凡退すると、3打席目は内田靖人が代打出場で交代。三木肇新監督は主力も打撃不振なら特別扱いしない方針を示した。
「一度スタメンから外してリフレッシュさせた方がいい」
スタメン落ちの危機に直面しているリードオフマンが阪神・近本光司だ。新人の昨年はセ・リーグ新人安打記録の159安打を放ち、36盗塁でタイトルを獲得するなど大活躍だったが、2年目の今季は開幕から打撃不振が続き、12試合を終えて打率.149、1本塁打。
今月2日の中日戦(ナゴヤドーム)では2点を追う9回無死一、二塁の好機で犠打を2度失敗し、遊飛に倒れるとバットを叩きつけて苛立ちを露わにした。近本の活躍なくして阪神の上位浮上は望めないが、「迷いながらプレーしている感じがする。一度スタメンから外してリフレッシュさせた方がいい」という指摘の声も上がる。
12試合で計24得点、1試合平均2得点と貧打で最下位に低迷する中、矢野監督のテコ入れ策が注目される。