2020年夏の旅行シーズンに向け、この7月からJR四国とJR九州では格安のフリー切符を発売している。いずれも全線乗り放題が可能な切符だ。
新型コロナの影響で緊急事態宣言が出されていた時期には列車の減便を余儀なくされて大きな打撃を受けた両社だが、行楽客を呼び込むべく反転攻勢をかけようとしている。
四国全線が1万円足らずで乗り放題
JR四国は2020年7月1日から「四国満喫きっぷスペシャル」の発売を開始した。販売期間は9月27日までで、使用可能期間は7月1日から9月29日まで。土曜・日曜・祝日を1日以上含む3日間で、JR四国全線と土佐くろしお鉄道・阿佐海岸鉄道・高速バスを除くJR四国バスが利用可能だ。この切符で普通・特急の自由席が乗り放題で、価格はJR四国みどりの窓口などの店頭発売分が8000円、JR四国ツアーでのネット発売分が8500円となっている。四国内主要駅で駅レンタカーが利用できるレンタカーセットプランの場合は、JR四国ツアーから1万500円で発売される(レンタカーセットプラン購入者には先着で2700系電車のオリジナルスマホペン立てケースがもらえる特典あり)。
条件の似ている切符と比較してみよう。使用者の誕生月の連続3日間、普通・特急に乗り放題の「バースデーきっぷ」の場合、普通車自由席用は9680円。通年で連続3日間乗り放題の「四国フリーきっぷ」は1万6440円でいずれと比べても四国満喫きっぷスペシャルの方がお得。四国フリーきっぷに比べれば半額以下だ。9月生まれの記者は今夏にバースデーきっぷの使用を考えていたが、こうなると四国満喫きっぷスペシャルを使わない手はない。
JR九州は指定席も使える
JR九州も7月1日から「みんなの九州きっぷ」の発売を開始した。こちらは発売期間が9月23日までで、利用期間は7月11日から9月27日までとなっている。ネット販売限定で、土・日・祝日のうち連続する2日間が有効期間でかつ使用開始3日前まで購入可能だ。全九州版は大人1万円(子ども2000円)、北部九州版は大人5000円(子ども1000円)で発売。全九州版では九州新幹線を含むJR九州全線が乗車可能で、北部九州版では豊肥本線(熊本~大分)と三角線(宇土~三角)から北の新幹線・在来線が乗車可能になる。ただしJR四国の切符と違って肥薩おれんじ鉄道・松浦鉄道などの九州内の第3セクター鉄道は対象外。
みんなの九州きっぷでは新幹線・在来線の特急自由席も乗り放題な上に、普通車指定席も6回まで利用できる。確実に座りたい場合に有用だ。九州内の様々な観光スポットでの特典もついている。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)