プロ野球の阪神が2020年7月2日、ナゴヤドームで中日と対戦し2-4で敗れた。先発オネルキ・ガルシア投手(30)が初回にダヤン・ビシエド内野手(31)に3ランを許し3点を失った。2回以降、継投策で中日打線を無失点に抑えたが、8回にロベルト・スアレス投手(29)が1死満塁から井領雅貴外野手(30)にライト前に運ばれ2点差とされ万事休す。チームは4連敗で最下位のまま。首位巨人とのゲーム差は6.5ゲーム差に広がった。
中日ルーキー投手に白星献上
最下位阪神を象徴するような試合だった。初回、ガルシアが1死から平田良介外野手(32)にツーベースを許し続くソイロ・アルモンテ外野手(31)を四球で歩かせ1死1、2塁。主砲ダヤン・ビシエド内野手(31)に134キロのスライダーをレフトスタンドに運ばれいきなり3点失点。連敗脱出の出鼻をくじかれた。
貧打が続く打線は3回、無死1塁から上本博紀内野手(33)のタイムリーで1点を返し、その後1点を追加。序盤で1点差まで詰め寄るも中日先発でルーキー岡野祐一郎投手(26)に抑え込まれた。中盤以降は中日の細かい継投に得点できずゼロ行進。中日ルーキーにプロ初白星を献上した。
この日は攻守にわたって集中力に欠けるシーンがみられた。4回の守備では、1死1塁の場面で加藤匠馬捕手(28)のバントをサードのジェフリー・マルテ内野手(29)が処理。マルテが1塁に送球した間、サードベースがガラ空きとなり1塁ランナーの京田陽太内野手(26)が一気に3塁へ。ファーストのジャスティン・ボーア(32)は京田の進塁に気付くもベースカバーがいないため投げるに投げられない状態だった。
9回好機に近本バント失敗で最悪の結果に...
9回の攻撃では悩めるリードオフマン近本光司外野手(25)が好機に「失態」。2点ビハインドの9回無死1、2塁、近本は初球、2球目とバントを試みるもいずれも失敗し、4球目のチェンジアップを打ち上げショートフライ。ランナーを進めることすらできず、内野フライの最悪の結果に終わった。
この3連戦では矢野燿大監督(51)の采配の迷いや選手の怠慢プレーなどがみられた。前日1日の中日戦では、大山悠輔内野手(25)を7回からセンターに起用。大山がセンターの守備につくのは1軍公式戦で初めてだった。また、攻撃面ではボーアが怠慢ともとれる走塁を。4回の打席で1、2塁間のゴロを放った際、2塁手が捕球した瞬間に速度を落として全力疾走を怠った。
過去、阪神が逆転優勝を果たした時の首位との最大ゲーム差は1964年の6.5ゲーム差。ここがデッドラインとされるものの、現状はリーグで唯一勝率5割を切り、リーグの借金を一手に背負っている状態。貧打に加えて集中力に欠ける怠慢プレーが見られるなど、監督の采配以前に選手の資質が問われかねない状況にある。今シーズン2度目の同一カード3連敗で借金「8」。シーズン100敗ペースが止まらない。