「ひとり10万円」小田原市長、J-CASTに語った真意 あいまい公約への批判、どう受け止める?

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出直し選挙「全く考えておりません」

   守屋氏は7月1日、J-CASTニュースの取材に「選挙公報だけ見ると趣旨が伝わりづらかったこというご指摘は、真摯に受け止めて反省しております」と繰り返した。

   「ひとり10万円」という書き方で「国の給付金10万円の迅速支給」と解釈できると思ったのか、については「そうお伝えしたかったのが真意です」と話す。だが、公報に限らずビラを見ても、国の給付金10万円の「迅速支給」の要素は読み取りづらい。守屋氏は「『迅速支給』とは書いていないということも含めて、表現方法については振り返っており、もっと違う表現の仕方があったと反省しております」とする。

   そもそも国の政策をなぜ市長選の公約に盛り込んだのか。守屋氏は「教育や河川管理など、行政運営は日本の地方自治制度上、国、県、市ではっきり切り分けるというより、一体となって実施するものが多いです。財源も国庫100%の場合もあれば、半分や3分の1といった場合もあります。最初はAの目的で使う予定だったお金をBに充当するといった裁量が認められるものもあります」とした上で、こう話した。

「私が選挙で示した話はさまざまな政策分野に及びます。国の政策を公約に盛り込んだのは、国の定額給付金は自治体が支給を担っており、自治体間で支給にスピード差があったことに鑑みて、自治体として迅速に支給することを示すためです」(守屋氏)

   公約が市独自の10万円給付だと誤解した有権者の票が544票という僅差での勝利につながったとしたら、その有権者らの思いにどう応えていくのか。

「有権者は教育の充実を望む方もいれば、医療崩壊を防ぎたいという方もおり、さまざまな思いをもってご投票いただいています。すでに子育て世帯への支援など、総額23億円ほどの支援を市長就任後に決定しており、これは県内トップクラスの規模です。今後も新型コロナウイルス対策に限らず、さまざまな課題に的確に対応することで、市民の付託に応えていきたいと思っています」(同)

   今後市政を運営するうえで、守屋氏は「市の政策も、結果として財源は国の補助金や交付金を入れることは財政運営として十分あり得ることです。財源のどの部分が国なのか、県なのか、市なのかということより、市民の皆様の生活に直結することは何かということが大事だと思っています」としている。再選挙、いわゆる出直し選挙の可能性については「私は全く考えておりません。指摘は真摯に受け止め、これから4年間の行政運営で市民の付託に応えてまいりたいと思っております」と話した。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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