バンダイナムコエンターテインメントは2020年6月28日に、ダンスミュージックをベースにしたキャラクタープロジェクト「電音部」を発表した。
その内容は昨今の音楽ゲームとキャラクターコンテンツのトレンドを凝縮した感が強く、かつクラブカルチャーとの融合が進んでいることを印象付けた。
ヒプマイ、D4DJとの類似点もあるが...
電音部は6月28日のオンラインDJイベント「ASOBINOTES ONLINE FES」で概要が発表された。舞台は電子音楽が隆盛する近未来で、DJに熱中する女子高生12人が登場するプロジェクトである。ただしプロフィールが全て明らかになったのは3人だけで、他9人の名前は伏せられ、キャストとシルエットのみが公開されている。この12人がアキバ・ハラジュク・アザブ・シブヤの4つのエリアの学校で3人1組のユニットを組む。
エリアごとに分かれたキャラクターがユニットを組む、という本作の設定で連想されるのは男性声優によるラップバトルプロジェクト「ヒプノシスマイク」だ。複数のディビジョン(エリア)でキャラクターがユニットを組んで登場し、2017年のリリース以来女性を中心に高い人気を保つ。シンジュク・シブヤ・イケブクロなど実在の地名をディビジョンのモチーフにしているのも電音部と似ている。
先発のコンテンツとしてはブシロードが制作、2019年スタートの「D4DJ」もある。こちらもDJがテーマのメディアミックスプロジェクトで、こちらは6つのユニットに4人ずつキャラクターが揃い、ライブでは声優がDJプレイも実演している。電音部に先んじてメディアミックスが進行中だ。
もともとクラブミュージックとアニメ・ゲームの相性はよくしばしばDJイベントが開催されてきたが、電音部は多彩なキャストを選んできた。本職の声優やアイドル経験者にとどまらず、にじさんじ所属のVTuberを起用してきたのは象徴的だ(シブヤエリアで健屋花那、シスター・クレア、星川サラの3人が出演)。先行コンテンツをなぞって音楽とキャラクターを核としながら、近接するジャンル(アイドル・VTuber)のファン層を取り込みたい意図がうかがえる。