「感染防止協力金、休業しても支給されず」 著名カレー店が東京都に苦言

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   東京・渋谷でタレントらも来店する著名なカレー店が、休業要請に応じた中小企業などを対象にした都の感染拡大防止協力金をもらえなかったと、ツイッターで不満を明かし話題になっている。

   その理由についても、都の通知でははっきりしなかったという。協力金の支給状況は、どうなっているのだろうか。

  • 著名カレー店のツイートが反響呼ぶ
    著名カレー店のツイートが反響呼ぶ
  • 著名カレー店のツイートが反響呼ぶ

都の通知では、「支給の要件に合致せず」とのみ書かれ

   この店は、夜営業のところを昼間に「間借り」するスタイルを始めたことで知られる「ケニックカレー」だ。キーマカレーが売りで、2020年3月からは、同じ渋谷で間借りでなく独立した店舗をスタートさせた。

「協力金がもらえないことをツイートしたら、凄いことになっていますね」

   同店の小菅ケニック健一店長は6月30日、J-CASTニュースの取材で、1万件以上もリツイートされた反響ぶりに驚いた。

   都の協力金は、4月16日~5月6日までのすべての期間に休業要請に応じるなどした中小企業や個人事業主などを対象に、1事業所だけなら50万円、2以上は100万円が支給される。同店が公式ツイッターで29日に報告したところによると、新店舗では、20時以降も深夜営業をしていた。その場合は、休業や短縮営業でも支給対象になる。4月16日は、テイクアウトとデリバリーの短縮営業を行ったが、都に確認したところ営業とみなさないとの話だったという。それ以外は、都に協力して休業を続け、協力申し出があった企業名を知らせる都のサイトにも店名が出た。

   ところが、都から通知があった審査結果では、「支給の要件に合致せず」と記され、支給ができないと決定したとあった。知事が適正と認めたときは支給するなどとうたった協力金の事務取扱要綱第6条の1、4項の規定に基づくものだという。

   これに対し、同店のツイッターでは、こう苦言を呈した。

「コールセンターに電話しても、まったくつながらない」

「理由を調べたら審査基準がなく、不明瞭。これがまかり通るならどこの飲食店も通らないし、そもそも休業しなかったと思います。もし、今後自粛要請や緊急事態宣言があっても、絶対に協力しません」

   協力金なしでも閉店しなかったのは、オンラインショップでの商品購入が多かったおかげだとした。

   ツイッターで、協力金の否決理由が知りたいはずだとの声が寄せられると、同店は、「そうなんですよね。そこ不明瞭なのが一番モヤッとします」と返していた。

   都の事務取扱要綱では、協力金の申請に当たっては、事業の実態や休業の状況について専門家の確認を受けるのが基本などとしている。これに対し、小菅店長は、「申請書を税理士に見ていただいて提出するなどしています。否決の理由を考えても分からず、確かなことは言えませんね」と納得がいかない様子だった。

   理由の説明を聞こうと、都のコールセンターに電話しているものの、まったくつながらず話が聞けていないという。ツイートが反響を呼んでいるが、都から連絡などもないそうだ。今後は、メールなど別の手段も考えたいとしている。

   都は、5月7日~25日まで休業要請に応じた企業などに第2弾の協力金を支給することにしていて、6月17日から申請の受け付けを始めた。これについても、小菅店長は、「成否は何とも言えませんが、申し込むつもりでいます」と明かした。

「理由は審査事務局で聞けるが、メールなどでは対応していない」

   同店にどんな要件が合わず協力金を支給しなかったかについて、都の企画経理課は6月30日、取材にこう説明した。

「個別のケースについては、お答えしかねますが、要件などの詳しい理由は、申請者なら協力金の審査事務局で話を聞くことができます。不支給の通知でも、問い合わせ先は明記されています」

   テイクアウトやデリバリーについては、ケースバイケースで個別に対応しているともいうが、一般的には営業とみなされると説明した。協力申し出を伝える都のサイトに店名が載っていても、必ずしも支給するとは限らないという。

   コールセンターがつながりにくいことや問い合わせの代替手段については、こう言う。

「審査事務局の中で集中的に電話を受けるためにコールセンターが設置されていますが、不支給決定の通知を集中的に行ったため、つながりにくい状況になってしまいました。メールなどではなく基本は電話での対応ですので、おかけ直し願えればと思います」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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