赤松のスーパーキャッチは米国でも話題に
時をさらにさかのぼると、人的補償として移籍した後に飛躍を遂げた選手はまだいる。2013年オフに大竹寛投手(37)の人的補償として巨人から広島に移籍した一岡竜司投手(29)がそのひとりだ。巨人時代はわずか13試合登板だった一岡は、広島移籍直後の14年は開幕1軍入りを果たし中継ぎの一角としてブルペンを支えた。昨シーズンは夏場に体調不良から戦線離脱するなど不本意なシーズンとなったが今シーズンに巻き返しを図る。
移籍後に広島で輝きを放ったもうひとりの選手が赤松真人外野手(37)だ。2007年オフに新井貴浩内野手(43)の人的補償として阪神から広島に移籍。阪神時代の3年間で36試合しか出場経験がなかったが移籍直後の08年には125試合、09年は137試合、10年は113試合に出場し3連連続で100試合出場を果たした。なかでも10年8月4日の横浜ベイスターズ戦でホームラン性の打球をフェンスに駆け上がってスーパーキャッチしたプレーは、日本国内だけでなく米国でも大きな話題となった。
移籍後にタイトルを獲得した選手もいる。2007年オフに石井一久投手(46)の人的補償として西武からヤクルトに移籍した福地寿樹外野手(44)だ。1番打者として移籍直後から活躍し、08年は131試合に出場して42盗塁を決めて盗塁王を獲得。プロ15年目にして初タイトルとなった。翌年09年も42盗塁をマークし2年連続で盗塁王となった。その後は「足のスペシャリスト」として貢献。13年からはヤクルトのコーチを務めている。