宇都宮氏「一般的なコロナ対策では地方債は無理なのでは」
6月28日に東京青年会議所(JC)が主催した討論会では、宇都宮氏が山本氏に直接疑問をぶつけた。宇都宮氏は、前出の地方財政法第5条第1項の
「災害応急事業費、災害復旧事業費及び災害救助事業費の財源とする場合」(第4号)
「学校その他の文教施設、保育所その他の厚生施設、消防施設、道路、河川、港湾その他の土木施設等の公共施設又は公用施設の建設事業費」(第5号)
という規定を念頭に、
「15兆というのは、地方債は目的が決まっていて、建設債しかダメなのではないか。一般的なコロナ対策では地方債は無理なのではないか」
と、実現性を疑問視。山本氏は、第4号の記述を根拠に、
「災害のソフトにも使えると(規定されている)。これは国が災害指定しないとダメだが、ここでしないんだったら東京都としてやるしかない。国に許可を求めないと、地方債が発行できないという状況ではない、東京は。だったら東京オリジナルとして資金を調達し、東京都としてこれは災害に指定するという形でやっていかないと」
などと主張した。
都の貯金にあたる「財政調整基金」は20年3月末時点で9345億円あったが、新型コロナ対策で、その95%を取り崩したことが明らかになっている。宇都宮氏はこの討論会の中で、財政調整基金が取り崩された状態でも、約3兆円が捻出可能だと主張した。
「財政調整基金以外の基金の中から、条例を変えれば1兆円ぐらいの基金が作れる。それから、道路政策。(木造住宅密集地域の防災性を図るための)特定整備路線や外環道、こういうのを見直して1兆円ぐらい造る。それから地方債については、公共施設や道路や、施設を作るためには発行できる。だからそれを1兆円ぐらい発行してもらって、その浮いた予算を、コロナ災害対策に当てる。3兆円ぐらいは特別な基金が作れると考えている」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)