小池氏「他のところを削っていかなければならないという、現実的な問題」
小池氏はこれを念頭に、
「地方債の発行にはいくつかの条件がある。これは適債ということがあって、債券を出すにあたって適しているか否かということで、例えばそれをどういう目的で使うのか、ということによって、しばられる。総務省に何をどうお尋ねになったのか、よく分からないが、それがルールになっている」
と述べた。もうひとつが償還の問題だ。東京都の20年度の一般会計の予算規模は7兆3540億円。小池氏は、公債費が拡大することへの懸念を口にした。
「その7兆円の中で(編注:仮に10年で償還するとして)毎年1.5兆借金返しをしていくということは、他のところを削っていかなければならないという、現実的な問題がある。そしてやはり、ここで一気にその分をばらまいてしまうことの、その後の後遺症をどうやっていくのか」
ネットメディアの「Choose Life Project」が6月27日に主催・配信した討論会では、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)が、
「私も地方財政やっていたが、かなり厳しいんじゃないか」
疑問視。山本氏は東京都の実質公債費比率の低さを改めて強調しながら、
「一度に15兆円を一気に調達するとは言っていない。なので『総額』。必要な分を必要なだけ、事前に調達していくということならば、何も問題はないと思っている」
などと主張した。対する小野氏は、15兆円の都債は発行可能だとの見方を示しながら、財政規律の面で問題が出るとして批判した。
「私も総務省の友達がいるので、色々確認したが、20兆円は財政再建団体に行くまでのギリギリの金額だ。だからリスクは大きいと思うし、おっしゃるように『一気にじゃない』ということは分かる。私ももちろん、財政再建、財政の適正化は実現しながらやりたいと思っている。私も公債を発行しないわけではなくて、必要に応じてしっかりと必要なものは発行していきたいというスタンス。15兆円というと非常に派手な感じで聞こえるが、是非、財政規律は守らないとダメだと思う」