立ち飲み居酒屋や豚カツ専門店など複数の飲食店を運営する「グレイス」の創業者・中村仁さんが2020年6月29日、豚しゃぶ専門店「豚組しゃぶ庵」の六本木店(東京都港区)を10月末に閉店すると発表した。
閉店の理由については、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたためと説明している。
「好きなお店が無くなるのは悲しい」「オフ会で何度もお世話になりました」
中村さんはブログサービス「note」を使い、豚組しゃぶ庵の閉店を報告した。noteでは「飲食業界の廃業率は高く、3年で7割、10年では9割と言われる厳しい世界です」と前置きし、「そのような中、豚組しゃぶ庵は13年の長きにわたって営業を続けることができました」と感謝を述べた。
続けて閉店の理由として、コロナウイルスの影響が大きかったことを説明した。中村さんはコロナ禍が落ち着くまで多くの人が外食機会を減らさざるを得ない状況が続き、「密」な環境で外食をする習慣はしばらく戻ってこないと分析している。
また感染の第二波、第三波を考えると、外食はこれまで以上に「特別な体験」になるとし、自宅でも楽しめる鍋は厳しい営業を強いられると予想。コロナ禍での飲食業界の行方を考えて、閉店の結論に至ったと説明した。
投稿の後半ではデリバリーの可能性に触れ、「豚組しゃぶ庵はこれから新しい挑戦への一歩を踏み出します」と意気込みを語っている。同社が運営するとんかつ専門店「西麻布 豚組」「豚組食堂」は引き続き営業を継続、「豚組しゃぶ庵」名古屋店の今後については検討中だという。
ツイッターでは「好きなお店が無くなるのは悲しい」「オフ会で何度もお世話になりました」と惜しむ声や感謝の声が寄せられ、同日午後には店名の「豚組しゃぶ庵」が日本のツイッターでトレンド入りを果たした。
新型コロナウイルスの影響により、閉店を決意した飲食店は少なくない。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)のロケ地にもなった神田神保町の居酒屋「酔の助(よのすけ)」本店は5月28日に、同じく神保町で50年以上愛された洋食屋「キッチン南海」は6月26日に閉店した。
この流れを受けてかツイッターでは「行ってみたかったお店がどんどん閉店してしまう」「閉店する店多いなぁ」など、閉店ラッシュに対するコメントも相次いでいる。