プロ野球の阪神は2020年6月28日、横浜スタジアムでDeNAと対戦し1-9の大差で敗れた。
先発・中田賢一投手(38)が初回2死2塁から3連打を許していきなり3失点。中継ぎ陣も踏ん張ることが出来ず7回にダメ押しとなる3点を失った。打線はDeNA投手陣の前に沈黙が続き、5安打1得点。2回以降は3塁を踏めなかった。チームはこれで開幕から3カード連続で負け越しとなり、1998年以来22年ぶりの屈辱となった。
近本、ボーアの不振で得点力望めず
投打に渡って現状の阪神を象徴するような試合だった。1回、先頭・近本光司外野手(25)が四球を選び、1死から盗塁に成功。先制のチャンスに好調の3番・糸井嘉男外野手(38)が140キロのシンカーをレフト前に運び1点先制した。
幸先良いスタートを切ったものの、阪神のこの日の得点シーンは初回のみ。4回にはジェフリー・マルテ内野手(29)の2塁打、8回には大山悠輔内野手(25)の2塁打でスコアリングポジションにランナーを進めるもあと1本が出ずDeNAの救援陣に抑え込まれた。
開幕から9試合を終えてチーム打率はわずか.204で、得点は12球団ワーストの「19」。打線が低迷するなか糸井、マルテが奮闘するも、リードオフマン近本が打率.114まで落ち込む大不振で打線がかみ合わない状態が続き、新外国人ジャスティン・ボーア内野手(32)は相変わらず低迷している。
投手陣に目を向けると、開幕から先発ローテーションが一回りしたが、枚数的に不安を残す。孤軍奮闘する西勇輝投手(29)、青柳晃洋投手(26)は昨シーズンに続いて安定感を見せるも、新外国人ジョー・ガンケル投手(28)の実力は未知数で、オネルキ・ガルシア投手(30)は投球にムラがみられる。
昨季のストロングポイントがウイークポイントに...
投手陣において昨シーズンと大きく異なる点は、ストロングポイントだったはずのリリーフ陣が機能していないこと。今シーズンは中継ぎ陣の要として活躍したピアース・ジョンソン投手とラファエル・ドリス投手が抜けたことで中継ぎが不安視されたが、ここまでの救援防御率はリーグワーストの8.46と、リリーフ陣がウイークポイントになっている。
今年2年目の矢野燿大監督(51)の采配にも迷いがみられる。開幕戦でスタメン4番に据えたボーアを3戦目から6番に下げ、捕手を梅野隆太郎(29)で固定せず、坂本誠志郎(26)、原口文仁(28)を併用。さらに接戦の場面でルーキー小川一平投手(23)を起用するなど大胆な采配が続いている。
開幕から9試合を終え、首位・巨人とは早くも4.5ゲーム差の最下位。開幕から3カード連続で負け越した1998年は、リーグ優勝の横浜ベイスターズに27ゲーム差をつけられ最下位に沈んだ。「暗黒時代」が頭をよぎる虎党も多く、矢野采配を疑問視する声もみられる。今シーズンは新型コロナウイルスの影響で120試合に短縮され連戦が続くなか、スタートダッシュ失敗は致命傷になりかねない。