学長が開学直前、コロナに倒れた― 生死をさまよった体験から、リーダーは何を得たか【#コロナで人生変わった】

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休んでいる間に抱いた「周囲の皆様への感謝」

   たとえば、入学予定の第1期受講生には1人ずつ、キャリアコンサルタントと事務局員の2人でZoomを使ったオンライン個別面談を実施。開校式が延期する中、どんなことを学んでいきたいか、今後どうなっていきたいか、適性検査にもとづく特性の確認、伸びしろなどを1時間ずつ話す。カリキュラムに沿って開学の前に授業を選択し、選択科目に応じたテキストの配布なども済ませた。外部の講師についても、オンライン授業に対応できるよう、ウェブ環境の整備と確認を1人1人進めた。会員企業にも開学延期とその間の見通しを説明している。

   ある局員は「(中田氏がICUに入っていた)10日間は3か月くらいに感じた」という。一方、局員や講師の多くは中田氏とのつながりが強かっただけに、中田氏不在の間に横のつながりが増し、密なコミュニケーションを取るようになっていった。

   こうした10日間を、中田氏は意識が戻った4月16日以降に知ることになる。

「感動しました。受講生向けのウェブセミナーにも、僕が退院してしばらくしてから講師として立たせてもらいました。退院から数日間はしゃべるのも厳しかったのですが、『今こういう企画をしているのでどこかで話してもらえますか』とスタッフから説明を受けて、本当に嬉しく思いました。

『受講生の皆様を待たせるから何かできることはないか』『会員企業様にどういうメッセージを出せばいいか』。それを局員がみんなで企画し、実際に動いてくれていたんです。私がこのスタッフたちについていこうと思いました。安心して任せられる」

   回復して退院したのは4月20日。徐々に仕事に復帰すると、ある思いを強く抱くようになったという。

「休んでいる間に、周囲の皆様への感謝をものすごく感じるようになりました。私は3週間ほど入院して、そのうち10日間ほどは連絡もまったく取れない状況でした。それでも日本営業大学の開学準備は粛々と進んでおり、モチベーションを喚起してくれていました。できる範囲のことをみんながやってくれていたのです。本当に素晴らしい人たちに恵まれました。

ICUから出て一般病棟に移った後、医師には『どちらに転んでもおかしくなかった』と言われていました。その中でこうした状況を知って、『自分はこの日本営業大学をやるために回復して帰ってきたんだ』と、事業を進めていくことへの覚悟を持てました。本気で思ったんですよ。それくらいスイッチが入りました」
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