学長が開学直前、コロナに倒れた― 生死をさまよった体験から、リーダーは何を得たか【#コロナで人生変わった】

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10日間意識がない状態に

   20年4月開学にこだわった最大の理由は、東京五輪にある。

「7月の東京五輪までに我々が形を作っておかないと、引退後のアスリートの受け皿になれないと感じていました。正確な数字はわかりませんが16年のリオデジャネイロ五輪では3万人が日本代表を目指し、約300人が出場しました。東京五輪は、リオで引退を考えたけど東京で最後にもう一花咲かせようという選手もおり、5万~6万人が代表を目指すとされています。ということは、東京五輪前後でものすごい数の引退選手が出てきます。実際に最近でも、新型コロナウイルスの影響でスポンサー契約を途中で打ち切られてしまった選手がいます。五輪が終わったらもっと出てくるでしょう」

   そんな思いで準備を進めてきた日本営業大学だが、先述のとおり、中田氏の新型コロナウイルス陽性が判明。初期症状としてメディアで伝えられていた嗅覚異常、味覚異常、呼吸器症状などはなく、発熱だけが続いた。血中酸素濃度が低下し、4月6日にはICUに入室した。それから同月16日までの10日間、意識がない状態だった。

   これまで、関係者との折衝のほとんどは中田氏が直接進めてきた。実際、大半の受講生、外部の講師、会員企業は、中田氏の人脈を中心に当たって募ったという。第1期受講生には、元プロ野球・北海道日本ハムファイターズで19年オフに引退した森山恵佑氏など8人。講師は1級ファイナンシャル・プランニング技能士、社会保険労務士、税理士、弁理士、マーケティング専門家など30人以上。会員企業は38社ある。

   日本営業大学は「中田氏ありき」で様々な決定をしてきた。その中田氏が開学予定日に感染で不在。その間、同大はどう運営していたのか。まず入院した4月2日、中田氏が同大事務局員と検討し、開学日の延期を決定。その後は、事務局員のみで中田氏の穴を埋めようと奔走した。

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