早ければ、その日のうちに現金化
政府は緊急経済対策として、雇用調整助成金や感染拡大防止協力金、持続化給付金などの給付金や助成金の支給や税制支援策などの手を打ってきたものの、決定まで時間がかかったり、手続きが煩雑でなかなか支給されなかったりと混乱。銀行などの金融機関も、貸出金の不良債権化を懸念して及び腰だったため、事業の縮小や廃業に追い込まれる中小企業などが後を絶たない。
クラウドファンディングとともに、台頭してきたのがファクタリング事業者だ。ファクタリングは、売掛債権(取引先から代金を受け取る権利)を買い取って現金化するサービスで、銀行などでは対応しにくい、急ぎの資金調達ニーズに応えるサービス。早ければその日のうちに現金化できるのがメリット。コロナ禍の影響で急激に業績が悪化して資金繰りに窮する企業の利用が増えている。
「とにかくすぐに現金が必要だった」――。2020年6月26日付の日本経済新聞「真相 深層 『債権買い取り』玉石混交」に、事例として登場した千葉県で建設関連業を営む男性は取材に対して、そう話していた。
ただ、記事の見出しにあるように、「悪徳業者」も少なからずいる。ファクタリングは「債権譲渡」のため、原則として貸金業法や利息制限法などの規制対象にはならない。資金を用立ててはくれるものの、その中には実質的には年利換算で数百%にのぼる、法律の定める上限を大きく超える場合や、「貸し出しにはあたらない」として貸金業者に登録せずに営業する事業者もある。
最近では、フリーランス向けの請求書の買い取りや、給与所得者を対象に、給料をもらう権利を売って「前借り」する形で支払いを受ける「給与ファクタリング」が現れ、かつてのサラ金のような厳しい取り立てでトラブルになっているケースも出てきた。
「日本ファクタリング業協会」(東京都中央区)は、「ファクタリング被害110番」という情報コーナーをつくり、全国の被害の実例や訴訟の動きなどを紹介して、注意を呼びかけている。