居酒屋にも大きな影響が...
感染拡大を避けるために事務職を中心に導入を余儀なくされた在宅勤務も、外食業界が今後の戦略を見直す要因となっている。緊急事態宣言は解除されても、感染の再拡大を懸念して継続している企業も多く、在宅勤務でも業務に支障が生じないと分かった職場では定着する可能性が高い。これでは仕事が終わった後に「居酒屋で一杯」の機会も減る。
そのため、「甘太郎」などを展開するコロワイドは、居酒屋業態を中心に全直営店の1割を当たる196店を2020年中に閉鎖する。ワタミも臨時休業中の居酒屋店舗のうち65店をそのまま閉鎖する。大皿で提供された料理を取り分けるという居酒屋のスタイルは、政府の専門家会議が打ち出した「新しい生活様式」では避けるべき事例に挙げられており、居酒屋業態は根本的な見直しを迫られかねない。両社はそれぞれ、外食業態の中では成長の余地がある焼き肉店の強化に乗り出しているが、全体の落ち込みを補うほどの伸びは見込めそうもない。
どんな業態の、どのような店舗運営なら生き残れるのか、模索が続きそうだ。