自社デザイナーを前面に
2020年の今年、創業100周年を迎える自動車メーカーは、マツダのほかにスズキもあるが、今のところ歴代の商品や開発エピソードを紹介する専用サイトはあっても、専用の記念グッズを販売するサイトは見当たらない。
自動車メーカーがブランド強化に向け、オリジナルグッズを発売するのは珍しくない。トヨタ自動車、日産自動車、ホンダはもちろんだが、中堅メーカーではSUBARU(スバル)もモータースポーツ専門の子会社「スバル・テクニカ・インターナショナル」(STI)などを通じ、オリジナルグッズや専用部品を積極的に販売している。かつては世界ラリー選手権、現在はニュルブルクリンク24時間耐久レースなどモータースポーツの活躍と合わせ、スバルの知名度とブランド力を一気に向上させた。
一方のマツダは、魂動デザインのチーフデザイナーをコレクションの担当に起用し、デザインでマツダのブランド力を高め、ファンを増やす戦略だ。日本の自動車メーカーが、ここまで自社のデザイナーを前面に出し、グッズ開発を行うのは前例がない。
近年のマツダは魂動デザインでクルマのデザインを一新した。魂動デザインとは「クルマをただの鉄の塊ではなく、まるで生き物のように生命感を感じさせるものにしたい」というコンセプトの独自デザインで、マツダが戦略的に進めている。
果たしてマツダは、100周年記念のオフィシャルグッズの販売を通じ、ブランドの向上を図れるか。魂動デザイン戦略の真価が問われそうだ。