「金額的な損害はもとより、精神的苦痛のほうが大きかった」
同店も新型コロナウイルスの影響で、一時売り上げは減少。担当者は「うちはマシなほうだと思います」というが、公的な助成金の対象店舗外だといい、自力で立て直す必要があった。助けてくれたのは地域の客だ。
「飲食店がつぶれたというニュースが流れるようになって、心配した近隣の方々が買いに来てくださって、何とか今につないでいます。だからこそ、捨てるのは本当に苦しかったです」(担当者)
最近は「お金に本当に余裕がない人が増えてきた」と感じており、「コロナの影響で仕事を失った方々は生活が苦しくなってきます。地域の方々に助けてもらった分、何かお礼ができれば」と考えている。
当然、キャンセルした客の名前と電話番号は控えているが、電話をかけても出なかった。「無駄骨になりそうなので、もう返金は諦めています」という。
「泣き寝入りというんでしょうか。『キャンセルでー』が軽い感じで、『すみません』といった言葉もありませんでした。訴えるべきと言ってくださる方もいますが、私たちにとっては訴訟に時間を費やすことも苦痛です。金額的な損害はもとより、精神的苦痛のほうが大きかったんです。実際その日、1人のスタッフは本当に心が折れて早退しました。ただでさえ1日のうち座っていられる時間は15分くらい。それでも応援してくださる方がいるから頑張れます。だったら、支えてくださる方々のために商品を作り、楽しい企画をするほうがいいです」(同)
投稿の効果はあったかもしれない。同店は店頭だけでなく通販でも注文を受けているが、全体の5%程度で無断キャンセルが起きていた。それが今回の被害について投稿した直後となる24日が支払期限の注文は、「100%ご入金いただきました」という。
協力を仰いだ弁護士は、飲食業の無断キャンセルの案件を数多く手がけており、LINE 1 通で相談に応じてくれることになったという。「これからは少額でも弁護士さんに対応をお願いするようにします。少しでも同様の被害の抑制になればと思います」と願う。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)
大量注文キャンセルの件
— 唐揚専門東京丸武商店 (@marubushouten) June 25, 2020
ほとんど無関係の方々には大変ご心配とご不快な気持ちにさせてしまい申し訳ございませんでした
再発防止対策をいたしましたので
今後は二度とこういうことが起きないことを願うばかりです
沢山のリプを頂き本当に嬉しかったです本当に本当にありがとうございました
丸武商店 pic.twitter.com/fjhhViWYyg