「少しでも役立てるならと思って発信しました」
23日の投稿後には、「酷いですね。営業妨害です」「心中お察しします...」「食いたくても食えない人も居るというのに」「キャンセル料、徴収した方がいいと思います」といった同情や激励、怒りの声のほか、「代わりにお金払って買いたい」との声もあった。応援の声に、店は25日の投稿で「キャンセルになった商品を買い取りたいとたくさんの嬉しいお言葉をいただきましたが、季節的に傷みやすいと言うこともあり食中毒などを出さないためにも泣く泣く廃棄処分と致しました」と説明。ただ、無念もつづった。
「現在コロナウィルス等で仕事がなくなったり食べれない方が増えている世の中で食べ物を捨てると言うことがどれだけ心苦しかったことか... 飲食店で働いてる以上食べ物を捨てると言うことが本当に悔やまれます」
再発防止のため、今後同様のことが起きた際には少額でも弁護士に相談し、商品代金のキャンセル料などを請求するとしている。経緯を説明した25日の投稿にはツイッターで、2500以上の「いいね」が集まった。
こうした投稿をした丸武商店の担当者が26日、J-CASTニュースの取材に応じた。「詳細を公表する予定はなかったのですが、間違った情報が錯綜しないように、また同業者の方々から『同じような被害に遭った』『同じことがあるかもしれないから教えてほしい』といった連絡をいただき、少しでも他のお店に役立てるならと思って発信しました」と投稿の理由を明かす。
キャンセルされた注文は丼物約20個、唐揚げ約50個などで、金額は合計約1万5000円に上る。大量の注文自体は時々あり、特に遠方から来店してくれる客に多いため、「今回も遠方のお客様かと思いました」という。
予約した注文のキャンセルは普段受けておらず、今回のようなキャンセルをする客は今までいなかった。それでもキャンセルを受けたのは「もっと大事にすべきお客様がいたから」という。
「4回目の電話は『キャンセルでー』の一点張りでした。こういう人に構っているより、目の前でお待ちいただいているお客様に対応したかったんです。買う気のない人にいくら対応してもしょうがない。悔しいのは、廃棄することになった食材を使えば、もっと多くの方々に召し上がっていただけたということです。新型コロナウイルスで仕事を失ったり、食べることに困ったりしている人がたくさんいます」(担当者)