巨人、「鯉アレルギー」引きずる? 2度のサヨナラチャンス逃す

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   プロ野球の巨人は2020年6月25日、東京ドームで広島と対戦し延長10回5-5で引き分けた。先発・桜井俊貴投手(26)が6回2失点と試合を作ったものの、7回からマウンドに上がった2番手・沢村拓一投手(32)がホセ・ピレラ外野手(30)、菊池涼介内野手(30)に連続安打を許し、この回3失点。打線は7回、8回と得点を重ね同点としたが逆転に至らず、延長10回引き分けに終わった。

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「勝利の方程式」の一角がリード守り切れず

   「勝利の方程式」の一角を担う沢村がリードを守り切れなかった。1点リードの7回、先頭の堂林翔太内野手(28)に155キロのストレートをセンター前に運ばれ、田中広輔内野手(30)がバントで送り1死2塁のピンチ。代打・長野久義外野手(35)を四球で歩かせ1死1、2塁の場面でピレラにタイムリー2塁打、続く菊池には内安打を許し2失点。田中の犠打のワンアウトしか取れずにマウンドを降りた。

   一方の打線は2度のサヨナラのチャンスを逃した。9回、先頭の陽岱鋼外野手(32)がレフト前ヒットで出塁し、代走に増田大輝内野手(26)が送られた。その増田が盗塁に成功し無死2塁の絶好のチャンス。だが大城卓三捕手(27)がバントを失敗し、亀井善行外野手(37)がショートゴロ。続く坂本勇人内野手(31)が申告敬遠で2死1、2塁としたが、石川慎吾外野手(27)が三球三振で得点出来なった。

   10回もチャンスをものに出来なった。広島の守護神テイラー・スコット投手(28)はこの日も制球が定まらず荒れ気味で、1死からヘラルド・パーラ外野手(33)が四球を選び出塁。代走の田中俊太内野手(26)が盗塁を決め1死2塁とまたもサヨナラのチャンス。だが、中島宏之内野手(37)がこの日3つ目の三振で倒れ、最後は若林晃弘内野手(26)がファールフライに打ち取られ試合終了となった。

指揮官「これからも僅差の展開が予想されます」

   広島3連戦の初戦は、先発・戸郷翔征投手(20)が好投し広島打線を抑え込んだ。一方の打線は広島先発クリス・ジョンソン投手(35)に苦しめられるも、5回にジョンソンが突如乱れ巨人が逆転に成功し、3-2の僅差で勝利した。続く第2戦は先発のC.C.メルセデス投手(26)が2回までに4点を失い4回持たずに降板。1勝1敗で迎えた第3戦は再三のチャンスにあと1本が出ず引き分けた。

   昨シーズン、広島の連覇を阻止してリーグ優勝を果たしたもののリーグ唯一、広島に負け越した。ここ5年間、広島戦での勝ち越しはなく、完全にカモにされている。今シーズンの広島は佐々岡真司新監督(52)のもと生まれ変わりつつあり、リリーフ陣に不安があるものの、昨シーズン不調だった田中広輔内野手(30)の復調やピレラ、森下暢仁投手(22)ら新戦力の加入でチーム力がアップしている。

   巨人がリーグ連覇を果たす上で「鯉叩き」は必須となる。昨シーズンは8月終盤で広島戦の負け越しが決まり、最終的には10勝14敗1分で負け越した。今シーズン初めての広島3連戦を終えた指揮官は「これからも僅差の展開が予想されます」と改めて気を引き締めた。今シーズン、巨人の「鯉アレルギー」は克服できるのか。次戦カードは7月14日から広島の本拠地マツダスタジアムで行われる。

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