尾身副座長も寝耳に水... 専門家会議の後継「分科会」はどうなるのか

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   新型コロナウイルス対策を話し合う政府の専門家会議が「無症状の人から感染」といった見解を示したところ、政府がそうした文言の削除を求めたことが分かり、ネット上で批判も出ている。

   政府が専門家会議の廃止を決めたのは、こうした意見の違いもあったのではとの指摘も出ているほどだ。政府は新たに有識者会議の分科会を設置すると明かしたが、どんな会議になるのだろうか。

  • 分科会の質問について答える尾身茂副座長(日本記者クラブサイトの動画から)
    分科会の質問について答える尾身茂副座長(日本記者クラブサイトの動画から)
  • 分科会の質問について答える尾身茂副座長(日本記者クラブサイトの動画から)

政府との意見の違いに専門家会議メンバーが苦慮

   「今、大臣がそういう発表をされたんですか?」。専門家会議の尾身茂副座長は、2020年6月24日の会見で、記者の質問にこう困惑した表情を見せた。

   会見の前には、西村康稔経済再生相が、専門会議を廃止し、有識者会議の下部組織として、今後のコロナ対策を話し合う分科会を作ると会見で明かしていた。しかし、尾身氏は、分科会新設のことは初めて知ったという。

   尾身氏らの会見は、自分たちが政策を決定しているかのような誤解を避けるため、活動の総括をしたうえで、新たな専門家組織のあり方について話すのが目的だった。そんな矢先の西村氏発言だけに、肩透かしを食った形だったのかもしれない。

   専門家会議を巡っては、政府との意見の違いにメンバーが苦慮していたとも報じられている。

   NHKの24日付ウェブ版記事によると、専門家会議が3月2日に出した2回目の見解について、「無症状の人も感染させている」といった文言があったが、政府が「パニックが起きかねない」として削除されたことが関係者への取材で分かった。また、その後報じた日本テレビによると、「1年以上の長期戦」との文言も、政府の意向で削られていた。

   こうしたことは、専門家会議の会見でも質問が出て、メンバーらが事実関係を認めた。実際には、政府の意向が働いていたにもかかわらず、コロナ感染拡大の局面では、専門家会議が「前のめり」で発言し、責任を負っていたような形だ。

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