なぜ、日本の国会から「対話」は消えたのか そして、取り戻すことはできるのか

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シルバーデモクラシーという民主主義上の「ものすごく大きなバリア」

   この春は、新型コロナウイルスの影響でアルバイトの収入が減って学費の納入が困難になる大学生が出るなど、学生と政治の関係もクローズアップされた。細野氏はこの問題を通して、いわゆる「シルバーデモクラシー」の問題への思いを新たにしたようだ。

   ある日、細野氏が昼食を買いに議員宿舎から議員会館に向かって歩いていると、高校生らが選挙について議論するイベント「全国高校生未来会議」で顔見知りだった学生に「ちょっと話聞いてください」と声をかけられた。その大学生が口にしたのは、「今、学費の請求が来るんだけど、アルバイトがなくて困っている学生も多いんです」。細野氏は直感的に「これは何とかせないかんな」と、自民党の稲田朋美幹事長代行と会って窮状を伝えてもらったという(編注:稲田氏は4月24日に安倍氏と会い、学費納入期限の延期などを求めている)。

   細野氏は、今回のケースが、政治が若者に目を向けるきっかけになりうると見ている

「今回、学生がそういう形で動くことによって、大学生に目が向いた。若い人に目が向いた。これは、こういう不幸な事案ではあるけれども、ひとつの結果」
「明らかに流れは変わっているので、10年前言ってもなかなか賛同者が集まらなかったところが、今は一番若い人たちに目を向けていかなければならない、ということになっている。
意識の中では、相当定着している」

   だが、現実問題としての「シルバーデモクラシー」の問題も立ちはだかる。20代よりも70代の方が投票率が高いからだ。

「70代の人に受けることを言った方が圧倒的に我々は選挙で有利なんだけど、しかし、なおかつ、『こういうことはやらなきゃいけないんだ』という(ことを実現するための)、ものすごく大きなバリアが民主主義上あることは、分かっておいてもらいたい」

   細野氏を呼び止めて学費の問題を訴えた学生はSFCの所属だ。そのことも念頭に、積極的に政治家にコンタクトするように訴えた。

「これは本当に皆さんに信じてほしいのは、ほとんどの政治家は、学生が『何かやるから話を聞かせてくれ』と言ったら喜んで行くと思う。それで言って来ないのは、来なくていい人だから。それは選挙区関係ない。そういうチャンスを皆さんに作ってもらえれば、我々は喜んで本当にどこでも行きますけどね」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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