「『ひとりの人間としての総理大臣』は、どう国民に共感してもらえるか」
とりわけ与野党の関係悪化の象徴として細野氏が挙げるのが、1999年11月に小渕政権で始まった党首討論だ。曰く、「特に2000年代前半ぐらいは、非常に党首討論で政治が動いた」が、今となっては回数も減り「行われたとしても非常に注目度が低い。これも『対話』がないことの象徴だと思う」。
最近の「対話」を感じさせる数少ない例が、新型コロナウイルスをめぐる補正予算案に野党の大半が賛成したことで、「若干光明があった」とする一方で、「こういう事態だから当然と言えば当然」とも。政治が国民の信頼を得られない一因を「仮に違いがあっても、それを乗り越えていくみたいな姿が見えないこと」だとみる。
松井氏は、「政治家の肌感覚を国民に伝える」「価値観を共感してもらう」ことがカギになるとの立場だが、民主党政権ではそれが道半ばだったことも語った。
「『ひとりの政治家が何を感じているのか』、みたいな肌感覚みたいなものが、もうちょっと昭和の政治家とか、平成初期の政治家は、国民に伝わっていた気がするんだけど、それをどう取り戻すか、みたいなことが、僕の中で、ずっともやもやしている。典型的には、10年前の鳩山内閣のことから、ずっともやもやしててね」
「(鳩山内閣で取り組んできたのは)『ひとりの人間としての総理大臣』は、どう国民に共感してもらえるか、その人の価値観みたいなものを共感してもらうのか。まったく失敗しちゃったけど...」