ロシアへの情報流出説は?
三上氏が論点の2つ目にあげたのが、写真のデータをめぐる疑惑だ。19年7月、米国内ではアプリで使用した写真のデータがロシア国内のサーバーに勝手にアップロードされているのではないか、という疑念が広がった。しかし、セキュリティの専門家や米メディアの分析によれば、データがサーバーにアップロードされた証拠はないと判明。FaceApp側もこうした疑惑を否定し、ユーザーが加工に使う元画像をクラウド上に一時アップしているだけだと説明した。
ただ、ロシア政府への情報流出を懸念した米上院議員のチャック・シューマー氏は、19年7月にFBIへ調査を依頼。FBIは19年11月にシューマー氏へ送った書簡の中で「FaceAppのようなロシアで開発されたアプリや製品は、防諜活動に対する潜在的な脅威になると考える」との見方を示している。
残り2つの論点は「人種」「利用料金」の問題だ。「人種」は、かつてFaceAppに「顔を白くする」「人種別」の加工フィルターがあったことに対し「人種差別ではないか」という批判が噴出したというもの。批判を受け、現在はいずれのフィルターも使えなくなっている。
「利用料金」は、追加機能が使える有料サービス「FaceApp PRO」をめぐるトラブルだ。ツイッター上では、誤って有料サービスに申し込んだというユーザーから、3日間の無料トライアル後に自動課金されたことを嘆く声が聞かれている。これについて三上氏は年3200円という高額な料金がトラブルの一因になっているとしつつも、「FaceApp側がいけないとは言えず、(利用を申し込んだ)ユーザーの責任になる」と語った。