ワンダーJAPONが与える「腑に落ちる感」
――雑誌の休刊が相次ぐ中、「紙メディア冬の時代」とも言える状況の中で復刊となるわけですが、逆風とも言える状況の中で復刊することの意義をお教えください。
関口: 電子と紙の良さはそれぞれにあると思うのですが、紙の良さは、持った感じが良いというか、「物感」(ものかん)が出る所ですかね。タブレットだとあまり「物感」がでないかなと思います。それと、見たいページにパッと行けるとか。後は、「画面」の大きさですね。ワンダーJAPONは休刊前と変わらずA4ぐらいの大きさ(21.0×28.5センチ)なので、見開きにするとA3の大きさ。タブレットではこの大きさや迫力を、なかなか体感できないですからね。なので、そんなに大きな部数ではなくても「紙で読みたい」という声には応えていきたいです。
――確かに、紙ならではの魅力は大きいです。
関口: 雑誌が厳しい状況なのはもちろん分かっていますが、ワンダーJAPONはオンリーワンの存在だと思っているので、需要を食い合わないという強みはあると思います。後は、ワンダーJAPONに掲載されている写真には、「共感する楽しさ」があると思っています。掲載されている「不思議な写真」を目にして、「これって、何だか変だよね」という思いは、やはり、読者の頭に浮かぶわけで、その思いを他の読者も思っているんだろうな......と思うと、やはり、楽しいじゃないですか。これがワンダーJAPONの魅力でしょうかね。
――共感の広がりは、やはり重要です。
関口: あと、ワンダーJAPONは通称「イグアナクレーン」(同誌7~8ページに掲載)といった変わった形の構造物など、世の中に存在する「変なもの」について、「こういう役割で使われているんだよ」といった形で紹介するわけですが、仮に読者がワンダーJAPONを読む前にその構造物の存在を知っていて、で、その状態でワンダーJAPONを読んで正体が分かったとすると、すごく、腑に落ちると思うんです。「何であるかが分かる」という「腑に落ちる感」もまた、ワンダーJAPONの魅力だと思います。
――最後に、ネタがなくなる可能性ってあるんでしょうか?
関口: ないんじゃないですかね。というのは、世の中には常に新しい「変なもの」が生まれていますし、また、現存する建造物は将来的には廃墟になっていくわけですし。そう考えれば、自分が退屈しない限りは続くんじゃないでしょうか。