2022年6月19日に開幕したプロ野球は昨季のセ・リーグ覇者巨人が阪神に同一カード3連勝を飾ったのに対し、パリーグは昨季日本一のソフトバンク、リーグ2連覇の西武が本拠地でカード負け越しの船出となった。
こうした中、選手の間では「今年のボールが飛ぶ」と話題になっているという。
驚いたような表情の鈴木誠也
19日の開幕戦でも「飛びすぎる本塁打」が次々に飛び出した。阪神の西勇輝が巨人のエース・菅野智之の147キロ直球を捉えると、打球は左翼ポール上方に直撃する特大アーチ。西は指名打者制のパリーグで長年プレーしていたこともあり、プロ12年目で初本塁打だった。
この日は広島の大瀬良大地も国吉祐樹の外角高めの直球を叩き、横浜スタジアムの右翼席にライナーで飛び込む2ラン。開幕戦で投手が2本のアーチを放つのは史上初だった。大瀬良に続く新外国人のピレラもバットの先っぽでとらえたと思った打球は左中間席に飛び込む2者連続アーチ。マウンドの国吉は呆然とした表情を浮かべていた。
広島の4番・鈴木誠也も開幕2戦目・DeNA戦で新外国人・ピープルズから右中間に初アーチを放ったが、フルスイングと言うよりミートを重視して軽打したように見えた。追い風に乗ってスタンドに届くと、鈴木はスタンドインすると思わなかったのか、驚きの表情でダイヤモンドを一周していた。
首脳陣は戦略の練り直しも?
兆候は6月の練習試合からあった。スタンド上段への特大ホームランや特大ファールが目立ち、ファンの間でも「打球が飛びすぎる」、「ボールの影響?無観客も関係しているのかな。打球が異常に飛ぶ」という声が多かった。
開幕3連戦の計18試合で29本塁打。1試合平均1.6本と飛び抜けて多いわけではないが、今年は新型コロナウイルスの影響で120試合に短縮され、過密日程になっている。打者優位とされる夏場で本塁打数は急増するのか。投手の打席でも本塁打がないと決めつけられない。本塁打が乱れ打ちの「空中戦」が増えるようだと首脳陣は戦略を見直さないといけない。
各球団の投手陣にとっては気が抜けないシーズンになりそうだ。