ボクシングのWBC世界ミニマム級王者ワンヘン・ミナヨーティン(34)=タイ=が2020年6月21日、自身のフェイスブックを通じて現役引退を発表した。ワンヘンはプロデビュー以来54連勝(18KO)を記録しており、同王座を12度防衛。世界5階級制覇のフロイド・メイウェザーJr(43)=米国=の50連勝を超えたことで注目されていた。
ムエタイ出身のワンヘンは、ルンピニー王座とタイ国内王座を獲得した後にプロボクシングに転向。2007年1月にプロデビューを果たし、同年3月にWBC世界ミニマム級ユース王座を獲得した。以降、同王座の防衛を重ねていき、WBCインターナショナルミニマム級暫定王座、WBCインターナショナル・シルバー王座を獲得した。
2014年11月にWBCミニマム級王者オズワルド・ノボア(メキシコ)に挑戦し、9回終了TKOで勝利し王座を奪取。16年3月には、大平剛(花形)を5回TKOで下し4度目の防衛に成功した。元WBO世界ミニマム級王者・福原辰弥(本田)とは2度対戦し、いずれも判定(19年5月は8回負傷判定)で退けている。
「私は自分の健康を優先したいと思います」
ワンヘンの最後の試合となったのは、2019年10月の12度目の防衛戦で、シンピウェ・コンコ(南アフリカ)を判定で下し王座防衛に成功した。ワンヘンは昨夏、米国大手プロモーション会社「ゴールデンボーイ・プロモーション」と契約。今年初めに米国のリングに上がる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で試合が中止となった。
ワンヘンは自身のフェイスブックを通じて現在の心境を次のように語った。
「私はボクシングを辞めることを決めました。私の両親や兄弟はボクシングの経験がありませんので、すべては私自身が決めました。誰もがお金が必要ですが、私は自分の健康を優先したいと思います。今まで私をサポートしてくれた人たちに感謝します」