2020年5月25日に5都道県(北海道、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に出されていた緊急事態宣言が解除され、落ち着きを取り戻しつつある今日この頃。鉄道会社はあの手この手で朝夕ラッシュ時において「3密」を避ける工夫をしている。
今回はJR西日本の試みを紹介したい。
期間限定、定期券併用で特急券が一律300円
2020年5月28日、JR西日本は朝夕時間帯におけるJR神戸線、JR京都線等の特急列車への利用を促すため「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」の発売を発表した。
この切符は利用区間を含む定期券(フレックス定期券を除く)と併用することが前提となっており、特急券が一律300円になる。発売は駅のみどりの窓口ではなく、JR西日本ネット予約「e5489」を通じて行う。
利用は普通車指定席に限定され、対象列車の指定席は定員の5割程度を上限として発売する。対象列車は朝夕時間帯を走る「はるか」、「サンダーバード」、「スーパーはくと」、「はまかぜ」の一部と「らくラクはりま」となっている。発売区間は以下のとおり。
「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」の対象列車と発売区間
「はるか」天王寺駅~京都駅・草津駅
「サンダーバード」大阪駅~京都駅・近江今津駅
「スーパーはくと」姫路駅~京都駅
「はまかぜ」姫路駅~大阪駅
「らくラクはりま」姫路駅~大阪駅
※「はるか」、「サンダーバード」、「スーパーはくと」、「はまかぜ」は一部の列車が対象
「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」の利用期間と発売期間は以下のとおり。
利用期間:2020年6月1日~2020年6月30日(利用は平日のみ)
発売期間:2020年5月31日~2020年6月30日
2019年3月ダイヤ改正との関係において
今回の「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」の発売を見て、昨年3月に行われたJR神戸線のダイヤ改正を思い出した。このダイヤ改正では朝夕時間帯の大阪駅~姫路駅間に通勤特急「らくラクはりま」が新設されたことで話題となった。
また姫路方面の夕時間帯を走る「はまかぜ5号」が西明石駅と加古川駅に、「スーパーはくと13号」が神戸駅、西明石駅、加古川駅に新規に停車し、「らくラクはりま」と同じ停車駅となった。いずれも兵庫県西部に住むビジネスパーソンに配慮したダイヤといえる。
大阪駅発姫路方面行は18時台~20時台にかけて概ね1時間間隔で特急列車が発車するが、「期間限定 定期券併用チケットレス特急券」の対象列車に大阪駅20時06分発「スーパーはくと13号」は含まれていないので注意したい。
(フリーライター 新田浩之)