令和納豆「生涯無料パス」没収者に返金へ 「一方的に権利を失効」認め謝罪

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   納豆ご飯専門店「令和納豆」(水戸市)は2020年6月21日、クラウドファンディング1万円の支援のリターンとして配布していた「納豆ご飯セット一生涯無料パスポート」を一方的に没収した支援者に対し、1万円全額の返金対応をとることを発表した。

   同パスをめぐっては複数の元所有者が、不可解な理由で没収されたとJ-CASTニュースの取材に答えていた。同店は今回の発表で「お客様のご理解と納得を十分に得られないまま、一方的に権利を失効する対応をとってしまったことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

  • 令和納豆の6月21日付の発表
    令和納豆の6月21日付の発表
  • 生涯無料パス対象の納豆ご飯定食「梅コース」(2019年5月の納豆社リリースより)
    生涯無料パス対象の納豆ご飯定食「梅コース」(2019年5月の納豆社リリースより)
  • 令和納豆の6月21日付の発表
  • 生涯無料パス対象の納豆ご飯定食「梅コース」(2019年5月の納豆社リリースより)

「信頼関係がなくなった」として権利失効

   令和納豆は株式会社納豆(本社・水戸市、以下「納豆社」)が19年7月にオープン。開店前にCAMPFIRE(本社・東京都渋谷区)が運営するクラウドファンディング(CF)サイト「FAAVO(ファーボ)」で支援(寄付)を募り、目標300万円の4倍となる1200万円超が集まっていた。

   CFのリターンの目玉だったのが、1万円の支援で得られる「納豆ご飯セット一生涯無料パスポート」(以下、生涯無料パスもしくは無料パス)。同店の「梅コース」(税別600円)を生涯無料で食べられる。CF支援者総数1228人のうち、1099人がこの生涯無料パスに支援していた。

   ところが20年5月下旬、生涯無料パスを15回ほど利用したところで一方的に没収されたとするネット上の口コミが拡散。「毎回、無料の納豆定食しか頼んでいない」「メールでのアンケートの回答が不誠実」という2点から、「規約にある『当店と会員の信頼関係が損なわれたと認めた場合』に該当する」と判断されたとしていた。FAAVOのCF募集ページには、本人のみ有効、1日1回限り、譲渡禁止といった条件は明記されていたものの、口コミで没収理由としてあげられていたような「規約」は書かれていなかった。

   J-CASTニュースは6月上旬までに、同様に生涯無料パスを一方的に没収されたという元所有者3人に取材。うち2人は無料パスの初回利用時、CF募集ページにはなかった「利用規約」の紙を店頭で渡された。また、無料パスで十数回食事した後、「アンケート」への回答を求められたが、その回答後の店舗利用時に無料パスを没収された。「無料パス対象メニューしか利用してこなかった」ことや、「アンケートの回答が不誠実だった」ことから、「信頼関係がなくなった」として権利失効を伝えられたという。元所有者らは「これがまかり通ってお咎めなしとなったら、やりたい放題にリターンを没収できてしまいます」などと不可解さをにじませていた。

   J-CASTニュースは6日、こうした無料パス元所有者の話、弁護士の見解、納豆社の見解などを含めて一連の経緯を報じた(納豆ご飯「生涯無料パス」没収された3人が語る顛末と、運営会社社長の言い分 1万円CFめぐるトラブルを記者が追った)が、その後もネット上では令和納豆の対応に批判的な声がくすぶり続けていた。そうした中、令和納豆は21日、「無料パスポート権利を失効させていただいたお客様への今後の対応について」と題する文書を公式サイトで発表した。

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