地方紙の方が関心強いが
安倍政権支持の報道が目立つ読売だけが、この会議を11日朝刊4面政治面トップで、「『新日常』対応 首相改革促す」の見出しを掲げて大きく取り上げたのが、コロナ対応などで批判される状況からの脱却という政権の狙いを映している。
この間、社説で取り上げた大手紙も読売(6月1日)のみで、「AIやビッグデータの活用は、今後の街作りに欠かせない。政府は特区で課題を明らかにし、全国での展開につなげるべきだ」とはっぱをかけているのも、同じ政権浮揚という脈絡で理解できる。
ただ、社説としては、法律の内容からして関心の高い地方紙もいくつかが取り上げているが、慎重な意見が多い。例えば、比較的保守的な論調が目立つ河北新報(6月13日)は「個人情報を保護し、住民ニーズに沿い地域課題を解決するには、より丹念な議論や制度設計が必要だ。拙速な取り組みは禍根を残しかねない」とくぎを刺し、北海道新聞(6月9日)も「より多くの地域住民が参画して合意形成を図る方法や情報提供のルールを、もっと明確に定めておくべきだ。......住民が拒否できる選択肢をしっかり担保しなければならない」など、厳しく注文している。
また、先の読売の11日の記事でも、15項目もの付帯決議が採択されたことに触れ、「政府は今後、......『区域会議』などを通じて個人情報の保護徹底を呼びかける考えだ」と、幅広い懸念への対応の必要に言及しているのが目立つ。
今後、データ保護に関する政省令などがまとまっていくことになっており、実際のスタートまでには、なお議論が続きそうだ。