トイレ空室状況、さらに車種まで
東京都内に緻密な路線を展開する東京メトロでは、各駅の出入り口や乗り換えにどの車両が便利かを確認できる機能がついている。地元ユーザーの比率が高い郊外の私鉄と違って、路線が複雑かつビジネスマンや旅行者の利用も多い東京メトロの事情を反映したものだろう。どの出口を選べば目的の施設に近いかが一目瞭然になる。
もう1つ、東京メトロのアプリの特徴は主要駅のトイレの空き状況を把握できることだ。突然の体調不良に見舞われた時、駆け込んだ駅のトイレが満室、という経験がある人は少なくないだろうが、その不安が解消される。東武と小田急もそれぞれ池袋駅・新宿駅のトイレの空き状況をアプリで配信している。
このように使い方次第で鉄道を便利に使える各社のアプリだが、極めて個性的なのが、西武鉄道の「西武線アプリ」だ。列車の在線位置を示す時に、わざわざ車種や列車番号まで表示している。その細かさは、「L-train(20000系)」「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-ラッピング電車(6000系)」といった、1編成しかないレア車両もアイコンで区別するほどである。こうなると鉄道マニア向けとしか言いようがないサービスともいえるが、一方で沿線のファミリー層にも西武への愛着を持ってもらえるかもしれない。
各社とも豊富な情報を提供しているので、活用すれば通勤やダイヤ乱れのストレスも減らしていけそうだ。