コロナ禍下の新築マンション価格動向 「リーマン・ショック後の様な混乱なし」の根拠

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   新型コロナウイルスの感染問題は、リーマン・ショックを超える衝撃を経済全般に与えるとされる。都心などでここ数年、新築マンションの価格が高騰し、バブル期以来の高値をつけていたが、そんなマンション市場にも影響を及ぼすのだろうか。

   2019年の首都圏(1都3県)の新築マンションの平均価格は、前年比1.9%増の5980万円(不動産経済研究所、20年1月22日発表)で、1990年(6123万円)以来29年ぶりの高値となった。ただ、発売戸数は15.9%減の3万1238戸と低水準だった。

  • マンション価格動向に注目が集まる(写真はイメージ)
    マンション価格動向に注目が集まる(写真はイメージ)
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供給側の構造が大きく変わった

   リーマン・ショックは2008年9月に生じ、新築マンションの投げ売りが起きるなど、マンション市場は混乱した。首都圏の新築マンションの平均価格は07年に10.6%増の4644万円、08年に2.8%増の4775万円と上昇基調だったが、09年には5.0%減の4535万円と一気に下落に転じた。発売戸数も09年には16.8%減の3万6376戸に減少した。

   ただ、今回のコロナ禍ではリーマン・ショック後のような混乱が生じるとの見方はほとんど出てない。東京都内の不動産関係者は「多少は値を下げようという動きもあるが、目立つほどではない」と指摘する。

   その大きな理由は、リーマン・ショック当時と現在とでは、供給側の構造が大きく変わったからだ。当時は多数の中小のデベロッパーが新築マンションを分譲していた。元々、体力が弱い企業が多かったため、リーマン・ショックを機に資金繰りが悪化すると、ディスカウントをして資金を作るしかなかったのだ。

   そうしたデベロッパーはその後、投げ売りのかいもなく破綻したり、事業を多角化して何とか生き残りを図ったりした。そして現在は、三井不動産レジデンシャルや三菱地所レジデンス、住友不動産など「メジャー7」と呼ばれる大手が供給の半分以上を手掛ける状況になった。「彼らは体力もあるので、値下げしてまで売る必要がない」(不動産関係者)というのだ。

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