「寄付するのが真のサポーター」の風潮「望まない」 J2大宮・水戸に「チケット払い戻し」の本懐を聞いた

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資金繰りは「クラブ側の事情」

   そもそもなぜアンケートなのか。「私たちは普段、スタジアムや練習場でサポーターの方々と接し、お互いに考え方を伝え合うことで、知らず知らず合意形成ができていたのだと思います。しかし今、新型コロナウイルスの影響で直接話す機会は激減しています。サポーターとコミュニケーションを取りたいし、取らないといけない。そこでアンケートで直接ご意見を募りました」(小島課長)と、ここにも背景があった。

   大宮は今季シーズンチケットを約5000枚販売。昨季1試合あたりの平均観客動員数が約1万人であることから考えると、ホームゲーム全体の約半数の席がシーズンチケット分になる。小中・シニア割などを除いた同チケットの一般料金は、席種によって異なるが2万8000~11万円。クラブの売り上げにおいて決して小さくない規模となる。

「経営基盤がある程度しっかりしているので、あのようなメッセージを出せたところもあります。とはいえ、確かに億単位の払い戻しの可能性もあるので資金繰りの懸念は当然出ます。でもそれはクラブ側の事情です。お客様の立場に立って考えないといけません。クラブに注いでくださっている愛情や、クラブとの絆が損なわれてしまうことのほうが損失です。リスクテイクはギリギリまでクラブがやるのが責務です。そのリスクを、お客様に不本意な形で負わせるわけにはいきません」(小島課長)

   アンケートでは「払い戻しを希望する場合、いつ、いくらを希望するか」も聞いている。その集計結果から今後の払い戻しの見通しもある程度立てやすくなったという。また、「Jリーグが各クラブに対し、払い戻し対応の必要性も含め、適切なタイミングで適切な指針を示してくれているので助かっています」と、リーグとの連携も一助となった。

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