サンリオは自社のキャラクター・「ポムポムプリン」の様々なイラストをツイッターで公開し続けているが、その中の「おまわりさん」を想起させるイラストが波紋を呼んだ。
海外ユーザーから意図しないリプライが寄せられ、サンリオ広報課は「今後はより配慮していきたい」と語る。
海外から過敏反応...いったい何が?
ポムポムプリンの公式アカウントは2020年6月17日の朝に
「おはよう!今日もどこかで見守っているよ 気をつけて行ってらっしゃ~い!!」
というメッセージと併せて、警察官のような格好で敬礼のポーズをとるポムポムプリンのイラストを投稿。日本人からは「プリンくん、たのもしい」「プリンが見守ってくれるなら安心」といった好意的なコメントが寄せられていたが、投稿の数分後、海外のユーザーから「Purin nooooo」、そして「ACAB」といったリプライが続出した。
「ACAB」とはどういう意味か。一般に「All Cops Are Bastards(全ての警官はろくでなし)」というフレーズの略称とされる。ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が黒人男性を死亡させた事件を受け、米国では黒人に対する差別や暴力へのデモ、そして反警察的なデモとして、「Black Lives Matter=黒人の命も大切だ(BLM)」を標語にした運動が広がっている。海外のツイッターユーザーは、ハッシュタグ「#BlackLivesMatter」と併用して「ACAB」を用いることも多い。
他に公式アカウントに寄せられた英文リプライを見ていくと、「(警官ではなく)車掌か何かだと願っています」「裏切られた気分だ」「消してくれ」といった言葉がつづられている。
「アメリカだと、警察というのは腐敗しきっているから」
この状況に、とある日本人ユーザーは「英語が話せなくてすみません」と前置きしながら、「彼は良い警察。全否定はよくない。こんなことでは何も変わらない」と英文で主張。これに対し、プロフィール欄に「BLM」を掲げるとある海外ユーザーは、
「あなた方の国の警察がどんなものなのかは良くは知らない。アメリカだと、警察というのは腐敗しきっているから、ポムポムプリンのように可愛いキャラクターが警官の制服を着ているのを見ると私たちは悲しくなってしまうんだ。こっちの警察は腐っていて不公平だからね」
と語った。
一方で、「日本とアメリカは異なる。あなた方の警察なんて、日本からすると知ったことではない」「アメリカは世界の中心ではない」と公式アカウントをかばう海外ユーザーもみられるなど、イラストは議論を呼んだ(全て編集部訳)。
「『見守っているよ』というメッセージを...」
この状況をどう受け止めているか、J-CASTニュースはサンリオ広報課に18日に取材した。ツイートの意図とこの画像について
「現在の新型コロナウイルス感染症下の状況で、小学校の分散登校などが始まり、様々な不安があると思われることから、子供たちなどの不安に寄り添って『見守っているよ』というメッセージを伝えるものでした。また、6月17日が『おまわりさんの日』だったことから、おまわりさんを想起させる衣装でのツイートになりました」
と19日に返答した。「巡査制度」が誕生した日にちなみ、6月17日は「おまわりさんの日」とされている。
また、海外ユーザーからの批判が一部寄せられたことについては
「BLM運動を意識してのツイートではありませんが、世界の人が見るSNSでの配信ですので、今後はより配慮していきたいと考えております」
とコメントしている。