ツイッターに浸透し、「チー牛」も台頭
イラストはネタにされ続けた。19年6月には他にイラストの男性を武士風にしたり、ヤンキー風やイケメン風に改変するコラージュ画像が作られていったことが確認できる。19年12月には「コミックマーケット97」でとある参加者が「チーズ牛丼」男のイラストの「コスプレ」を行った。特別なことはしておらず、「すいません、三色チーズ...」の吹き出しと、自身の顔を並べるというものだ。このコスプレやコラージュ画像の一部はツイッターでも話題となった。
また、「チーズ牛丼」を使ったネタツイートなどが度々拡散され、20年の4月の中旬からは1日500件~1000件のツイートを当たり前のように見かけるようになった。
さらに最近では、「チー牛」という略語も定着し、いっそう「人気」が加速している。いつから「チー牛」という略し方が浸透したのだろうか。「なんでも実況(ジュピター)」を、ログを保存しているサイト「ログ速」で見ていくと、17年と18年までは年に1度しかこの言葉を使ったスレッドは建てられていなかった。
19年では10月に入ってようやく「チー牛」を使ったスレッドが1つ出現し、12月には2件。ところが、20年の1月に入ると急に月あたりで100件以上が乱立するようになる。
また、「Social Insight」でツイッターを見ていくと、こちらでも「チー牛」という略語を使ったツイートは19年末までは1日0件~4件程度というのがほとんどだった。
「チーズ牛丼」の広まりにつれて「チー牛」も徐々に浸透していったようで、4月の中旬からは100件以上の「チー牛」ツイートが行われるようになった。その中で5月10日は急な伸びを見せ、9日には約270件のところ、1600件ほどのツイートが行われた。この日には「これで合計点が100点超えるとチー牛確定らしい」という診断テストのような画像が4000件程度リツイートされていた。
これが契機となったのか、翌日からは500~2000件といった幅でツイートされるようになり、ピークの6月4日には「チー牛」というワードだけで1万件に上った。この日には「友人が『おれがネットで一番チー牛だ』と言っていたので比較画像貼っておきます」というツイートが拡散され、2万件以上のリツイートを獲得している。
まとめサイトの現状を見ると、10日には「チー牛に生まれてきたやつの人生難易度ハードすぎ」、15日には「チー牛の特徴『眉毛を整えない』...」といった辛らつなスレッドがまとめられており、「チー牛」が「陰キャ」をからかう言葉として使われていることがわかる。