東京都知事選(2020年6月18日告示、7月5日投開票)で、野党内で早くも「造反」騒ぎだ。立憲民主党、共産党、社民党などが元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)の支援を決める中、れいわ新選組の山本太郎代表(45)が6月15日に出馬を表明。その数時間後に、立憲民主党所属の須藤元気参院議員が、山本氏支持を表明した。
福山哲郎幹事長は6月16日夕に開いた記者会見で、須藤氏と話し合いを持ったことを明らかにした上で「今後のことについては、また話し合う機会があるかもしれない」とも説明。両者の溝は埋まっていない様子だ。
常任幹事会で宇都宮氏を「最も強力に応援することを確認」
須藤氏は19年夏の参院選に立憲民主党公認で比例区から出馬し、初当選を果たした。須藤氏は山本氏が出馬表明した直後の6月15日夕、山本氏の出馬を報じる記事を引用しながら
「立憲としては宇都宮さん支持ですが個人的に山本さんを応援しています!」
と山本氏支援の方針をツイートしていた。
6月16日夕の福山氏の記者会見では、
「立憲は、一応機関決定として宇都宮さん(の支援)をやることになっているが、これに反して、例えば(宇都宮氏以外の)応援に行った人たちをペナルティーにするといったことはあるのか」
といった質問も出た。会見に先立って行われた常任幹事会では、党として「最も強力に応援することを確認」したばかりで、福山氏は
「その方針に沿って、各議員はその方針に動いていただけると思っている」
と述べるにとどめた。
福山氏は、ツイートの後に須藤氏と話し合いの場を設けて、立憲が宇都宮氏の支援を決めた経緯や理由を説明したことも明らかにした。福山氏の説明によると、須藤氏の
「都知事選で支持する候補者の違いを党と僕との間で再確認しました。今後どうするかもう一度考えてみます」
という6月16日午後のツイートは、話し合いを受けて書き込まれた。福山氏は
「今後のことについては、また話し合う機会があるかもしれない」
とも話した。
小川淳也衆院議員「何とか野党候補を一本化できないか」→「野党共闘への思いが強過ぎて」
山本氏の立候補で、いわゆる「リベラル票」が分散する可能性もある。福山氏は、山本氏の立候補が野党共闘に与える影響について、
「そもそも、我々は宇都宮さんで野党共闘をやれればいいとは思っていたが、結果としては山本さんが立つことでかなわなくなったという現実はあるが、だからと言って何らかの影響があるとかではない」
などと話すが、会派内からは困惑の声がもれる。野党統一会派の小川淳也衆院議員(無所属)は、6月15日夕、
「山本太郎さんの気概に心から敬意を表しつつ、しかし早急に宇都宮さんと話し合い、何とか野党候補を一本化できないか。もちろんより勝てる候補に。いつも野党陣営は分断し相手を楽にさせてしまう」
とツイートしたが、6月16日には一転、
「野党共闘への思いが強過ぎて、知事選であることや、関係の皆様の様々な思いや経緯への敬意が不足していました」
と陳謝した。このツイートには動画がついており、今後の対応について
「こうなった以上、組織が宇都宮候補(予定者)を支援、支持する方針がある。私は当然、これを基軸にしたいと思っている。ただ一方で、山本候補(予定者)を含めて、両陣営の票が最大化して、現職を少しでも食っていくということに全体として貢献したい」
と説明する一方で、立憲に対して
「5%減税で野党をまとめる、その前提、先頭に立つべき」
と消費減税を打ち出すように求めた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)