ゴーンにコロナ、いいとこなしの日産に「一筋の光明」が?

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復活のカギ握る「商品力」アップ

   さらに決算とともに発表した日産の中期経営計画(2020~2023年度の4カ年)に追加のリストラ策を盛り込んだ。世界の年間生産能力は、2019年7月時点の計画で、2018年度の720万台から2022年度に660万台に減らすとしていたが、さらに120万台圧縮して540万台にするとした。生産体制見直しではスペインやインドネシアの完成車工場の閉鎖に言及し、欧州は英国工場、東南アジアはタイに、それぞれ集約する考えを示したが、それ以外に具体名は挙げなかった。人員整理は2019年7月に打ち出した全社員の1割近くに相当する1万500人への上乗せの数字は示していない。

   復活へのカギを握るのは商品力アップだ。計画では2023年度までに現在の69車種を55車種以下にすることを打ち出した。「コアなモデルに絞り込む」(内田誠社長)ことで商品力アップを図るということだ。具体的には、C/Dセグメント(全長4.2~4.8m程度の中級車)、電気自動車、スポーツカーに集中投資するとして、当面、18カ月で12の新型車を投入するとし、フルモデルチェンジまでの期間も、一時、平均で6年以上に伸びていたのを4年以下にする考えだ。

   自動運転や環境対応などを含め、研究開発投資が今後の競争力を左右する。トヨタや独フォルクスワーゲンが年間1兆円以上を投じるのに対し、日産単独では5000億円レベル。それでもルノーなどとの3社連合でなんとか1兆円を確保し、今回、3社の連携強化、研究開発の分担を打ち出したのは好材料だろう。

   今回の決算・中期計画のリモートでの発表の最後に流されたビデオ「NISSAN NEXT From A to Z」に、新型フェアレディZらしい姿が数秒流れ、最後に「Z」の文字が大映しになって業界関係者の間でちょっとした話題になった。現行の6代目 Z34型は2008年登場の古参となっていて、「1年以内に新モデル発表か」(モータージャーナリスト)との観測も聞かれる。そんなファンの熱視線は「技術の日産」復活への期待でもある。

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