タレントの指原莉乃さん(27)が2020年6月14日朝放送の「ワイドナショー」(フジテレビ)で、目を真っ赤にして涙をぬぐう場面があった。北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(当時13)の父、横田滋さん(87)の死去を受けて、妻の早紀江さん(84)さんらが開いた記者会見を扱うコーナーでの出来事だ。
芸能人からも反対の声が相次いでいた検察庁法改正案をめぐる問題では、「私はそこまでの信念がなかったので、つぶやけなかった」などと話していた指原さん。拉致問題については「知らなくてはいけないこと」などと訴えた。
「(登壇者3人の)力強い言葉を聞いて、何も思わなかった日本人っていなかったと思うんですよね」
6月14日の放送では、妻の早紀江さん(84)、めぐみさんの双子の弟の拓也さん(51)、哲也さん(51)による会見の様子を特集。「ユーチューブにノーカット版があったので見ました」という指原さんは、
「(登壇者3人の)力強い言葉を聞いて、何も思わなかった日本人っていなかったと思うんですよね。特に印象的だったのが『一枚岩になって』というところが...」
などと会見の印象を話した。
「一枚岩」という言葉は、拓也さん、哲也さんの両方が言及した。それぞれ、
「横田さん、横田家の問題ではなくて、日本国家に与えられた課題・使命であるということをみんなで意識して、報道も一枚岩になって北朝鮮と向かってほしい」
「実際、外交交渉するのも大事。日本人全体に年齢層問わず、認識・認知を広めるのも大事。一枚岩に国内がなっていない限り、やはり日本としては弱いと思うので、どういうことが若者に対してアピールになるのかを事務局とも考えながら(進めて)いければ」
といった内容で、メディアや若者を含めた世論の形成を訴えた。
「やっぱり私も知るのは遅かったとは思うんですけど」
その上で指原さんは、
「やっぱり私も知るのは遅かったとは思うんですけど、なるべく早く、この問題をもっともみんなが考えていかなければならないな、って思って」
と訴えた。さらに、若者が国外の出来事に関心を持つことが増えており、「それは間違いなく素晴らしいこと」だとしながら、「やっぱり国内の、目を向けなけなきゃいけないことも、まだある」とも。
「私はこの問題は、もっと若い人達も知らなきゃいけない(と思う)。『知らなくてもいいこと』ではなくて、『知らなくてはいけないこと』なんだろうなって思いました」
とコメントを締めくくった。
目を赤くして涙を右手薬指でぬぐう
ゲストとして出演した武田鉄矢さん(71)は、めぐみさんの拉致現場を訪問したことがあるといい、現場は「普通の中学校の通学路」だったと説明。北朝鮮への怒りを
「(北朝鮮の工作員は)子どもが帰る時刻を狙って、誰でも良かった。誰でもいい中で、あの女の子を狙ってさらった。そんなことをやる人間がいるのか」
などと語ると、指原さんは目を赤くして涙を右手薬指でぬぐいながら、うなずいていた。さらに、出演コーナー終了後、会見のノーカット版の動画へのリンク付きで
「たくさんの若い人に知って欲しい、見て欲しいです。自分の家族だったら?友達だったら?色んなことを考えると思います」
とツイートした。
指原さんをめぐっては、政治的問題への発言を避けるとの見方もあった。検察庁法改正案をめぐる問題についてツイートしなかったことで、こういった見方が強まっていた。指原さんはツイートしなかった理由について、5月17日の放送で、
「正直、この件に関して私はそこまでの信念がなかったので、つぶやけなかった」
などと説明していた。「#検察庁法改正案に抗議します」のタグ付きでツイートする芸能人が相次ぎ、芸能人の政治的発言をめぐる議論が活発だった時期で、この指原さんの説明には様々な反響があった。例えば、前新潟県知事の米山隆一氏(52)はツイッターで、
「指原さんが自分は『そこまで勉強できていない』と考えてTWしないのは完全に指原さんの自由ですが、指原さん以外の人が、勉強ができていようがいまいが、自らの考えに基づいてTWするのも又自由でしょう」
と断ったうえで、指原さんの対応を非難していた。
「因みに余計なお世話的には『勉強できていないならぐぐれば10分でわかるんだから勉強したら良くないですか?それ本当は「勉強できていない」じゃなくて「敢えて勉強していない」ですよね?』とは思います」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)