東京都知事選(2020年6月18日告示、7月5日投開票)に出馬を表明している元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)が6月15日に東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見した。
宇都宮氏の会見は13時開始。出馬説がくすぶり続けた、れいわ新選組の山本太郎代表(45)が14時から開くことになっていた会見に注目が集まる中での登壇だった。宇都宮氏は改めて「都民ひとりひとりの生存権がかかった選挙」などと基本政策を訴えながら、仮に山本氏が出馬表明した際の対応について「堂々とテレビ討論などで討論をしたい」などと話した。
「出馬」の第1報を聞いての反応は...
宇都宮氏と山本氏は、福祉を重視するなど政策面で近いと受け止められている。宇都宮氏は5月27日に東京都庁で開いた記者会見で、山本氏が出馬した際の対応について
「今回は、どういう候補が出てきても降りるつもりはない」
「それ(山本氏が出馬しても立候補を断念しないこと)は、もう当然。(宇都宮氏以外の候補者で)野党共闘ができても、降りないわけだから」
などと話していた。
山本氏の出馬で、いわゆる「リベラル票」が割れるのは確実。その一方で、宇都宮氏としては、山本氏との差別化も必要になる。記者会見で「仮に山本氏が出馬表明したら」という前提で差別化の方策について質問したところ、宇都宮氏は
「堂々と東京都が抱えている問題について論戦をして、東京都をよりよくするために、都民にとってより良いものにするために、どういう政策が重要なのか、堂々とテレビ討論などで討論をしたい」
などと説明した。
会見終了直後に山本氏出馬の第1報が入り、記者が改めて
「しっかり論戦していきたい、ということか」
と確認すると、宇都宮氏はゲストブックを記入する手を休めて
「そうです」
と応じた。
山本氏と「重なる部分は多いと思う」
記者会見では、仮に山本氏が出馬しなかった場合の対応として「山本氏の陣営や支持者と、いかにして共闘するか」についても質問していた。宇都宮氏は、
「実は私の『市民選対』に入っている人は、山本太郎さんも支持している人が多い」
として、19年の統一選で無所属の区議や市議を応援した際の様子を
「そこに、いつも山本太郎さんが来ていて応援していたので、重なる部分は多いと思う」
と説明。その上で、
「そういう意味で、支援者は今も応援してもらっているし、そういう応援が広がればありがたい。他の政党と同じように応援していただくというのは、大変ありがたく、心強い」
などと期待感を表明していた。
都知事選には、他にも現職の小池百合子氏(67)、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)、 NHKから国民を守る党の立花孝志党首(52)らが出馬を表明している。