井上尚弥に敗れた男たちの「その後」 2団体統一王者となった田口、44歳元王者は今なお...

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   ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(27)=大橋=の3団体王座統一戦が、今秋にも実現する可能性が出てきた。デビュー以来無敗の王者は、専門メディアのパウンド・フォー・パウンド(PFP)の上位にランクされ、世界的なボクサーとなった。

   日本、東洋、世界の階段を一気に駆け上がってきた「モンスター」。J-CASTニュース編集部は、これまで井上に挑み、散っていったボクサーたちのその後のキャリアに追ってみた。

  • 井上尚弥
    井上尚弥
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井上の敗戦を糧に2団体統一王者に

   井上がプロ入り後、初めてタイトルに挑んだのが、2013年8月に行われた日本ライトフライ級タイトル戦だった。プロ4戦目にして日本王者・田口良一(ワタナベ)に挑戦し3-0の判定で王座を獲得。この勝利によって世界ランキング入りを果たし、同年12月には東洋太平洋ライトフライ級のベルトを腰に巻いた。

   田口は敗戦後、2戦をはさんで2014年12月にWBA世界ライトフライ級王者アルベルト・ロッセル(ペルー)に挑戦し、判定で世界王座を獲得した。その後、同王座を6度防衛し、2017年12月にIBF王座を統一するとともにWBA王座の7度目の防衛に成功。統一王座の初防衛に失敗し、19年3月に世界2階級制覇を目指してWBO世界フライ級王座に挑むも判定負けを喫し、これを最後に引退した。

   田口が世界王座を獲得した8カ月前に井上がWBC世界ライトフライ級王座を獲得。井上は2014年9月の初防衛戦後に王座を返上したため田口とは王座在位の時期が重ならなかったが、日本王座を争った2人が同年に同階級の世界王座を獲得した事実は、日本の軽量級のレベルの高さを物語っている。

亀田和毅を2度下した王者も1回TKO負け

   井上のプロキャリア序盤で対戦したなかで、世界的ボクサーとして知られるのがオマール・ナルバエス(アルゼンチン)だ。WBO世界フライ級王座を10度防衛した後、階級をひとつ上げWBO世界スーパーフライ級王座を獲得。同王座を11度防衛し、12度目の防衛戦で井上に2回KO負けを喫して王座を失った。井上と対戦した当時は39歳で、「マエストロ(教授)」と称されていた。

   井上との対戦後のナルバエスのキャリアをたどってみると、井上戦から約10カ月後の2015年10月にWBOの地域タイトルを獲得するなど5連勝を飾り、バンタム級の世界王座挑戦にこぎつけた。18年4月にWBO世界バンタム級王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)に挑戦して判定負けし、世界3階級制覇に失敗。44歳の今もなおリングに上がり続けており、直近では2019年12月にIBFの地域タイトルマッチを行っている。

   井上はスーパーフライ級の王座を7度防衛した後に王座を返上し、バンタム級で世界3階級を制覇するわけだが、バンタム級で最初の相手となったのがWBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英国)だ。防御技術に優れたバンタム級では長身のボクサーで、日本のボクシングファンには、亀田和毅を2度破ったことで知られる。

   7度目の防衛戦となった井上との対決では減量に苦しみ、試合はマクドネルの1回TKO負けであっけなく幕を閉じた。マクドネルは井上戦から約1年後の2019年6月にイタリアでノンタイトル戦のリングに上がっており、判定で復帰戦を飾っている。

パヤノ、ロドリゲスはネリと因縁が...

   ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)で井上と対戦したフアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ)とエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)はともに世界王座返り咲きを目指している。パヤノ、ロドリゲスともに井上戦の後に元WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(メキシコ)がからんでくる。

   パヤノは2018年10月にWBSSバンタム級準々決勝で井上に1回KO負けを喫し、19年3月に再起。同年7月にWBCバンタム級シルバー王座をかけてネリと対戦し9回KOで負けている。一方のロドリゲスは19年5月に井上に敗れた後、同年11月にネリとWBC世界バンタム級挑戦者決定戦を行う予定だったが、ネリが前日計量で規定体重をオーバーしたため、ロドリゲス陣営が試合を拒否して試合は中止となった。

   パヤノは現在、WBAのバンタム級2位にランクされており、ロドリゲスはWBCバンタム級3位にランクイン。ロドリゲスの地元、プエルトリコのメディアは、ロドリゲスがスーパーバンタム級に階級を上げるプランがあることを報じており、同じくスーパーバンタム級に上げたネリとの対戦の可能性に言及。いずれにせよ両者ともに世界タイトルマッチ出場が可能なランクに付けており、再び世界のリングに上がるのはそう遠くなさそうだ。

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