2017年投稿の動画に「日本ANTIFA『差別の象徴』として神社を放火」
日本語で根拠不明な情報が広がったケースもある。
評論家の石平氏は、6月2日午前、赤い旗を掲げて抗議活動を行っている人の写真つきのツイートを引用しながら
「アメリカの『抗議者』、どういうわけか中国共産党党旗、中国の国旗を掲げている。暴動の背後に中共の暗影があるのではないかとの疑惑が深まっている」
とツイートしたが、午後になって
「今になってこの二枚の写真は合成であったかどうかを素人の私は見抜くノウハウのないことを思えば、慎重のために午前中のツイートを削除した」
と軌道修正した。
石平氏が引用したツイートには写真が2枚ついていた。1枚は、11年にニューヨーク・ウォール街で行われたデモの様子として中国メディアが報じた写真で、もう1枚は、18年にカナダのニュースサイトの編集長が、黒人容疑者が警官に射殺されたことに抗議するデモの様子として投稿した写真と同じだった。
6月3日には、フォロワー(読者)数が1万2000人いる匿名アカウントが、
「米国ANTIFA『富の象徴』としてブランド店放火→日本ANTIFA『差別の象徴』として神社を放火」
という1行とともに、木造の建造物が燃える動画を投稿。1000回近くリツイートされた。だが、この動画は17年2月に
「宮城県大崎市山神神社火事」
として投稿された動画と同じ内容だった。
国内事例の検証にあたっては、ファクトチェックを支援する国内団体「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」が運営する、真偽不明の情報を収集するシステム「クレーム・モニター」の情報を利用した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)