お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部健さんが、東京・六本木ヒルズの多目的トイレ内で不倫相手の女性と会っていたとの報道をめぐり、ツイッター上では多目的トイレを不適切に使用したとして、渡部さんへの批判が相次いでいる。
トイレ内の多目的シート(子どもから大人まで、おむつ替えなどに利用できるシート)を製造する大阪市の企業も、ツイッターを通じ「多目的シートを作っている会社としては悲しく、情けない限りです」と発信し、多目的トイレの適切な利用を訴えた。
「笑い事じゃない」「使いづらくなったらどうしてくれる」
渡部さんは10日の「文春オンライン」と11日発売の「週刊文春」で、複数の女性と不倫関係にあったことが報じられた。そのうち女性一人とは、六本木ヒルズの地下にある多目的トイレ内で会っていたことが明かされ、六本木ヒルズを管理する森ビル担当者の困惑の声も伝えられている。
多目的トイレは本来、身体に障害を持った人や、おむつ替えの必要がある乳幼児連れなどが使いやすいように設けられている。ツイッター上では渡部さんが多目的トイレを「不適切」に使用したとして、
「笑い事じゃないよ。母の車椅子押してた頃車いす多機能トイレ空かなくて泣く泣く一般トイレに移動した事何度もある」
「これを機に使いづらくなったらどうしてくれるねん。車いすユーザーからしたら本当に大迷惑」
など批判の声が相次いだ。
また、「多目的トイレ」というワードは10日19時~20時台にかけて日本のツイッタートレンド1位となり、11日に入ってもトレンド上位に位置する状況が続いた。
「真に多目的トイレを必要とされている方々の為にも...」
そうした中、多目的シートなどの施設用育児用品ブランド「オモイオ」を展開する水上(大阪市)は、オモイオの公式ツイッターを通じて11日に「多目的トイレが話題になっていますが、内容は...」と反応。そして、 「多目的シートを作っている会社としては悲しく、情けない限りです。障害を持たれている方と、おむつ交換の方の衝突が問題になっているのに...真に多目的トイレを必要とされている方々の為にも節度ある利用をお願いします」 と訴えた。
J-CASTニュースは11日、オモイオのツイッター担当者に話を聞いた。担当者によれば、近年は設置数が少ない多目的トイレをめぐり、障害者とおむつ替えが目的の親子連れの間で取り合いになっていることに「メーカーとしてやるせない思い」を抱えていたという。障害者の利用もおむつ替えも多目的トイレ本来の用途であり、担当者は「どちらの言い分も間違ってはいない」と話す。
しかし、仮に今回の報道のような使い方が世間で横行すれば、本当に多目的トイレが必要なはずの障害者、親子連れが必要な時に使えなくなってしまう可能性がある。担当者は、
「(多目的トイレを不適切に)使っている方がいらっしゃるというのは把握していたが、それに対して何ら手を打てなかった。そこでこういうことが起こって、少しでも我々が情報を発信することで(本来の使い方が)世に伝わってくれたらと思った」
と投稿の経緯を語った。
#多目的トイレ が話題になっていますが、内容は…
— オモイオ omoio (@omoio_mizukami) June 11, 2020
多目的シートを作っている会社としては悲しく、情けない限りです。障害を持たれている方と、おむつ交換の方の衝突が問題になっているのに…
真に多目的トイレを必要とされている方々の為にも節度ある利用をお願いします。 pic.twitter.com/GUV34p8hct