「最近のユーチューブの広告が酷すぎる」「無法地帯すぎない?」──。今年の3月以降、動画配信サイト「ユーチューブ」の広告に関する苦情が相次いで寄せられている。性的表現を含むなど不適切な広告が散見され、サイトの健全性が失われつつあるとの指摘だ。
専門家はその背景に、新型コロナウイルスによる広告単価の低下があると考察する。
視聴時間大幅アップも...
ユーチューブを運営するグーグルを傘下に持つ米アルファベットの2020年第1四半期(1~3月)の決算発表によれば、新型コロナで2~3月のユーチューブの視聴時間は「大幅に伸びた」(サンダー・ピチャイCEO)とし、ユーチューブ広告の売上高は前年比33%増の約40億ドル(4300億円)だった。
一方で、広告主の減少などでクリック単価が下がり、3月には広告収益が大幅に鈍化したと明かしている。
発表を裏付けるように、プロサッカー選手でユーチューブ活動もする本田圭佑氏は4月24日、「Youtubeの広告価格が40%近く下落してる」などとツイート。ユーチューバーの大手マネジメント会社「UUUM」も4月中旬、国内企業の広告出稿の自粛などの影響を受ける可能性を考慮し、今期の業績予想を下方修正している。
そうした情勢と連動する形で、SNS上では3月後半ごろからユーチューブの動画広告への苦情が目立つようになった。