ロックダウンと経済活動再開
全土ロックダウンの影響はやはり大きく、4月のマルチ・スズキの販売はゼロ台を記録。4月はインド国内の工場が生産を停止したため、生産もゼロ台だった。ただ、5月に入って徐々に経済活動が再開され、マルチ・スズキの工場は生産を再開し、販売店も営業を始めた。5月の販売台数は前年同月比9割減の約1万4000台ではあったが、ゼロ台という絶望的な4月から見れば前進していることが確認された。
こうした状況を受け、「最悪期を脱した」との見方からスズキ株に見直し買いが入り、6月8日につけた高値は4253円と年初来高値から18.1%安の水準まで持ち直した。年初来高値から年初来安値への下げ分から6割以上取り戻した格好だ。
「インドはロックダウンの影響で銀行の不良債権の大幅増加が見込まれ、自動車ローンが借りづらくなるリスクがある」(野村証券)といった指摘もあり、インド市場の先行きは予断を許さないが、スズキの株価は回復期待を映していると言えそうだ。